▲写真=大統領室通信写真記者団

【NEWSIS】韓国で強制徴用問題の解決策が発表されたことを受け、尹徳敏(ユン・ドクミン)駐日大使は「日本で自発的な動きなどがあるべきだ」との考えを示した。

 尹大使は12日付の朝日新聞に掲載されたインタビューで「日本政府は、自発的な貢献を希望する企業はそれも可能という立場と理解している」と述べ、日本側の対応が重要との考えを強調した。

 尹大使は今回の解決策について「韓国では多くの反発が出てくるだろう」と指摘した上で「被害者への共感が重要だ」と提言した。

 尹大使は「韓国人にとっては『日本が間違ったのになぜ韓国が金を出すのか』という印象もある。(今回の強制徴用解決策について)納得するには日本側の呼応が必要だ」「(日本企業による)自発的な寄与により今後何らかの良い結果が出てくることが非常に重要だ」と述べた。

 尹大使はさらに「もしかしたら、被害者が納得できず、継続して問題を提起し、持続可能な解決ができなくなる蓋然性がないとは言えない」として「政権が変われば同じことが繰り返されるという懸念もある」と述べた。

 これは2015年の慰安婦合意が、韓国の政権の変わった際に事実上無効となったことを念頭に置いた発言だ。

 尹大使は「この(強制徴用)問題は法的に終わったと日本の感覚ではそのように見えるとしても、被害を受けた人間はそうは思えない。日本の方たちも被害者の考えを考慮する必要がある」と訴えた。

 さらに「日本のやるべきことは全て終わった」と言わず、どちらかが勝ったのではないので、共に問題を解決する過程が始まったとみるべきではないか」とも述べた。

 尹大使は韓日慰安婦合意当時「遺憾にもそのような発言が韓国の世論に悪影響を及ぼした。今回違うことは(韓国)政府が徹底して被害者に説明し、さまざまな意見を聞いて反映してきたという点だ」と説明した。「今回も両政府が共に被害者の感情を刺激する発言を慎む必要がある」とも付け加えた。

 尹大使は今回の解決策について、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と岸田文雄首相による「両指導者の決断」と評価した。その背景には北朝鮮の核開発や米中対立など国際情勢の変化に伴う両首脳の一致した「切迫感」があったと考えている。

 尹大使は「日本政府が過去に持っていた歴史認識を継承するとした点は評価できる」との考えを示した。

 尹大統領は今月16日に日本を訪問し、韓日首脳会談が行われる。尹大使は「首脳同士で会うということ自体が非常に重要だ」「過去は直視すべきだが、未来にいかなる協力が可能かたくさんのことを話し合えれば成功と言えるだろう」と述べた。

 尹大使は「経済的には相互補完性が高い。協力の相乗効果も大きい。国際情勢が急変する中で自由民主主義や市場経済の価値観を共有する両国が対処すべきことも多い」と強調した。

 尹大使は同時に「1998年の韓日共同宣言が『ビジョン1.0』であれば、尹大統領と岸田首相の時代は『ビジョン2.0』となるべきだ」とも話した。

 尹大使はさらに「岸田首相がいつでも必要なときに韓国に来ることが良いことだろう」としてシャトル外交再開に期待を示した。

キム・イェジン記者

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