▲金正恩国務委員長は2月25日、娘のジュエさんと共に平壌・西浦地区のニュータウン建設着工式に出席した。/写真=朝鮮中央テレビ

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が娘のキム・ジュエさんを帯同し、主な公式行事に姿を現していることと関連して、北朝鮮住民の間からキム・ジュエさんの外見や服装について不満が出ているという。自由アジア放送(RFA)が27日に報じた。キム・ジュエさんの肉付きのよい外見や豪華な服装が、生活苦にあえぐ住民らの実情とは懸け離れているというのだ。

 報道によると、平安北道在住のある消息筋は、同メディアに「2月だけでも閲兵式行事(2・8)と体育競技観覧(2・17)に続いて(2月25日に公開された平壌西浦地区ニュータウン着工式現場で)3回も登場したお子さま(キム・ジュエさん)の姿を目に留めた住民らは『どれだけいいものを食べているのか。顔が白くて満月みたい』という話を親しい人間同士でやりとりしている」と語った。

 さらに、この消息筋は「今、住民らはきちんと食べられずに頬がこけ、非常にみじめ」だとしつつ「ところが(キム・ジュエさんは)いいものを食べていい暮らしをしている貴族の顔で、しかも華麗な服装がテレビでひんぱんに放送されるのだから、腹が立って耐え難い」と語った。

 また、平安南道のある消息筋は「きのう、愛するお子さま(キム・ジュエさん)が再び平壌・西浦地区ニュータウン建設着工式に登場し、最高尊厳と共にくわ入れをする様子がテレビで放映されたが、住民らは優しくない目でこれを眺めた」と伝えた。

 消息筋は「住民らは、宣伝メディアにひんぱんに登場するお子さまの白くてまるまるとした顔を見ながら、食糧不足で日々の食事もきちんと取れない庶民の子どものやせこけた顔とはあまりに違うと、込み上げる怒りの感情をそのままぶちまけている」と語った。

 北朝鮮住民らは、キム・ジュエさんの華麗なファッションや髪型などにとりわけ関心を持って見ている、というのが消息筋の話だ。

 消息筋は「先の軍事パレードでは、お子さまが長い髪に西洋式の黒い帽子をかぶった姿で出てきた上、平壌西浦地区ニュータウン建設着工式では、高級コートに革手袋を着けて登場した様子が報じられ、住民らが眉をひそめている」と語った。

 その上で、消息筋は「当局は資本主義文化をえぐり出すとして、10代の女子児童・生徒らが肩の下まで髪を伸ばしたり異色の服装をしたりすることを制限しているのに、あの(キム・ジュエさんの)服装は何だと、一般の少女の姿とはあまりにも違う姿に、不愉快な感情をそのままあらわにしている」と伝えた。

 公式の席に登場したキム・ジュエさんの姿を北朝鮮メディアが公開し始めたのは、昨年11月の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射現場のときからだ。当時、朝鮮中央通信は、金正恩国務委員長のICBM発射視察を報じつつ「愛するお子さま、女史と共に自らお出ましになった」と伝えた。今月までにキム・ジュエさんの姿が報道された事例を集計すると、2月25日に公開された平壌西浦地区ニュータウン建設着工式の現場を含め合わせて7回になる、とRFAは伝えた。

キム・ミョンソン記者

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