(アンカー)

 このように北朝鮮の軍事的威嚇が強まっている状況で、韓米両軍当局は今年に入って初めて、陸軍の主力兵器である多連装ロケット(MLRS)の射撃訓練を行いました。昨年10月、地上緩衝区域の外で行われたこの訓練を口実にして、北朝鮮が東海・西海の緩衝区域に向けて放射砲(多連装ロケット)数百発を発射したこともあります。それだけ、北朝鮮がデリケートに考える最先端兵器なのです。

 サッカーグラウンド三つ分の面積を焦土にして「鋼鉄の雨」とも呼ばれるこのロケット発射の現場を、ユン・ドンビン記者が単独で取材しました。

(リポート)

 ロケット弾が火を噴きながら空に向かって上昇していきます。超音速のスピードで飛び、5秒ほど経過してようやく爆音が空に響きます。

 「ドーン!」

 子弾500発を搭載した収束弾頭を用いる場合、50キロ先のサッカーグラウンド三つ分の面積を焦土にでき、イラク戦争では「鋼鉄の雨」と呼ばれました。

 きょう、多連装ロケット射撃が行われているこの場所は、江原道鉄原郡のダムト渓谷です。

 軍事境界線からおよそ15キロ離れており、9・19軍事合意の際に設定した地上緩衝区域の10キロ外にありますが、北朝鮮は正常な射撃訓練を問題にして武力挑発を敢行しています。

 北朝鮮は昨年10月、この訓練に言いがかりをつけ、東海・西海の緩衝区域に放射砲およそ900発を撃ち込みました。

 (朴元坤〈パク・ウォンゴン〉/梨花女子大学北朝鮮学科教授)

 「(北朝鮮は)9・19軍事合意を無力化し、韓米同盟に挑発の責任を負わせるために、正常な訓練を口実にしていると思います」

 韓米の陸軍はきょうから2日間にわたり、鉄原のダムト陣地から南に向けておよそ70発の多連装ロケットを発射する計画です。

 テレビ朝鮮、ユン・ドンビンでした。

(2023年2月9日放送 TV朝鮮「ニュース9」より)

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