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GSアルバイト店員にカネを投げ付けた客に非難ごうごう /中国・四川省
中国国内のあるガソリンスタンドで、外車に乗った人物がアルバイトにカネを投げ付ける様子が捉えられ、横暴だとして物議を醸した。車のオーナー側は「後部座席から親類の者が競って代金を出そうとして起きたこと」だと釈明した。
1月23日、四川省楽山の高速道路にあるガソリンスタンドで、外車に乗ったAさんが、アルバイトのBさんにガソリン代を投げ渡すという事件が起きた。30日に台湾のTVBS放送などが伝えた。当時の状況を捉えた防犯カメラの映像はソーシャルメディアやオンラインコミュニティーで拡散され、社会的公憤を引き起こした。
動画を見ると、給油を終えたBさんは、お金を受け取るため窓が開けられた助手席側に手を差し出した。すると後部座席に同乗していたAさんがBさんに向かって数枚の紙幣を投げた。お金はそのまま落ちて地面に散らばり、Bさんは少しためらってから、やがて身をかがめてお金を拾った。その間に車はそのままスタンドから出ていき、その様子をしばし見ていたBさんは背を向けて涙を拭いた。
ネットユーザーらは「ちょっとのカネで皇帝のように君臨しようとしている」「論争の余地なく間違っている」「外見は金持ちのようだが、中身は甚だ貧しい」などのコメントを書いて憤った。一部は、このスタンドを再び訪れてBさんに直接謝罪しろ、と要求した。
論争が続いたことから、車のオーナー側は29日、「当時、後部座席から親類数人が競って料金を出そうとしてお金を窓の外に投げるという不適切な行為があった」とし「お金を地面に投げたり、アルバイトを侮辱したりという意図はなかった」と釈明した。その上で、Bさんに謝罪したいという意向を表明した。しかし依然として、一部のネットユーザーは「故意ではないとしても、状況の説明や謝罪なしに離れたことは無礼な行動」と批判した。
ガソリンスタンド側はBさんにカウンセリングを提供したと伝えられている。Bさんは「最初はすごく傷ついたけれど、1週間ほどして気持ちが落ち着いた」としつつ「もうこの事件について話したくない。心配してくれた皆さんありがとう」と語った。
中国国内で、金持ちの横暴が社会的な公憤を呼んだ事件はこれが初めてではない。浙江省寧波では昨年11月、ある若い夫婦が、落ち葉を自分たちの高級車の側に掃き寄せたとして高齢の環境美化員をひざまずかせるという事件があった。当時、ひざまずいている環境美化員の姿がソーシャルメディアなどを通して拡散され、論争が拡大した。遂には、この環境美化員を雇っている業者が、謝罪を受けるためドライバー夫婦の元を訪れることにもなった。
パク・ソンミン記者