「韓国の国民年金基金は2055年に底をつき、その後は加入者が所得の26.1%を保険料として支払わねばならない」とする韓国政府の見通しが公表された。国民年金財政推計専門委員会が27日に公表した国民年金財政推計によると、現在の保険料率9%を維持した状態で現役時代の平均所得の40%を老後に支給すると仮定した場合、国民年金基金が底をつく時期は2055年となる。これは5年前の同じ推計で予測された2057年よりも2年早い。年金支出が収入(投資収益を含む)を上回り赤字に転換する時期についても、これまで予想されていた2042年よりも1年早い2041年とされた。文在寅(ムン・ジェイン)前政権が任期の5年間に年金改革に手をつけなかったため、以前よりも状況が悪化したと考えられる。

 年金が枯渇し赤字に転換する時期の予測は5年ごとに行われる推計で毎回早まっている。年金が枯渇する年は5年前の推計では2060年から57年とされたが、それが今回は55年となった。今年(2023年)生まれた子どもが今後年金改革なしに2055年を迎えた場合、32歳で「年金枯渇」となり、年金保険料の負担がこの時から所得の26.1%、2060年には29.8%と上昇を続ける。そうなれば住宅の購入はもちろん、結婚や出産なども経済的にさらに困難になると予想されている。

 赤字に転換する時期も2044年→2042年→2041年と早まっている。少子高齢化がさらに深刻となり、年金加入者数が毎年減少する一方で受給者の数は増加を続けている。今年の加入者数は2199万人だが、その後2060年には1251万人、2093年には861万人にまで減少すると予想されている。これに対して受給者数は同じ期間に527万人から1569万人にまで増え、2093年には1030万人になると試算されている。

 年金加入者数に対する老齢年金受給者数を示す扶養比率は今年24%だが、2078年には143.8%にまで上昇する。現在は国民年金の加入者4人が受給者1人を養っている計算だが、将来は4人が6人を養うことになり、負担は6倍にまで重くなるという意味だ。

 今回の試算通り2055年に基金が枯渇した場合、将来は年金保険料を今よりもはるかに多く支払わねばならない。年金を受給者に支払い続けるには加入者が所得から支払う年金保険料率を引き上げるしかないが、それが2060年には最大で29.8%、さらに2078年には35%にまで上昇する。2093年に国民年金の1年分支給額を確保するために今から必要な保険料率を計算すると、5年前には16.02%だったのが今回は17.86%にまで高くなった。

キム・ギョンウン記者

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