社会総合
山積みの在庫にお手上げ…ソウルのマンション駐車場・道路を占領する中古車たち
16日午後1時ごろ、ソウル市江西区のあるマンション。入口にある管理人室には「外部車両絶対禁止」「訪問証のない車には警告状およびレッカー措置」と赤い字で書かれた看板があった。ここから10メートルも離れていない駐車場には「駐車違反警告状」が3枚貼られた外車と、5枚貼られた外車が並んで駐車されていた。本紙はこの日、約400面のマンション駐車場で24台に駐車違反のステッカーが貼られているのを見つけた。2年間、管理人を務めているというハさん(82)は「近くに中古車販売会社があって、そこの社員がマンション敷地内に違法駐車している」「この数カ月間、いっそうひどくなった気がする。住民たちの不満も多い」と語った。
マンションの正面入り口から100メートルほど離れたところには10階建ての中古車販売会社があった。この建物には中古車を計1200台収容できるスペースが設けられているが、そこは既にいっぱいになっていて、建物を囲む道の上まで中古車が駐車されていた。同社の関係者は「金利上昇により中古車の購入者が減ったため、昨年9月から中古車の在庫が増えて収容可能な台数を800台上回った」「駐車問題で公営駐車場やオフィステル(住居兼オフィス物件)の駐車場を借りて1台あたり10万ウォン(約1万円)ずつ、毎月8000万ウォン(約840万円)を駐車代として払っているが、これでも足りずに一部のディーラーは住宅街の駐車場に駐車する場合がある」「私たちも住民に迷惑をかけたくないが、在庫中古車による駐車場問題に対処できず困っている」と言った。
このところ、中古車販売会社が売りに出している車が住宅街や道路にまで駐車されるというケースが増えている。自動車ローンの金利が上がって中古車市場取引が急減し、どの販売会社も在庫の中古車をとめておくところがなくなっているのだ。このため、中古車販売会社が多い地域の住宅街では駐車場不足が深刻になっているが、販売会社では過料を払ってでもやむなく駐車を続けているという。「カー・イズ・ユー・データ研究所」の統計によると、2017年の韓国国内における中古車在庫台数はマイナス1万3910台で中古車ディーラーが仕入れた台数よりも販売台数のほうが多かったが、昨年11月の時点では11万2554台が在庫となるなど、中古車の台数が大幅に増えているという。
19日午後4時ごろ、ソウル市陽川区のある中古車展示場。すぐそばの小学校へとつながる幅6メートル、長さ100メートルほどの細い道の駐停車禁止区域には「レッカー地域」という標識があるが、ここに駐車されている車25台のうち20台がフロントガラスにディーラーの名刺が置いてある中古車だった。近くの集合住宅で暮らしているキムさん(37)は「家の前に駐車する場所がない。来客がある日は車で来ないようにお願いしている」と不満を吐露した。ここに駐車していた中古車販売会社の関係者は「車をとめておく所がないので一時的に駐車しただけだ。すぐにほかの場所を用意して車を移す」と言った。
キム・グァンジン記者、ヤン・スンス記者