▲ソウル市竜山区の繁華街・梨泰院洞にあるハミルトン・ホテル周辺の道路に集まる多くの市民。29日夜撮影。/聯合ニュース

 ソウル市内の繁華街・梨泰院で発生したハロウィーン雑踏事故をめぐり、誰かが故意に押したという証言が相次いでいる中、警察が現場一帯の監視カメラ映像などを確保し、事故原因の究明に乗り出した。

 警察が10月31日に発表したところによると、警察庁は30日、梨泰院雑踏事故をめぐり、475人規模で構成された捜査本部を立ち上げたという。

 警察は事故現場の事態収拾を終えた後、梨泰院にあるハミルトン・ホテル裏の路地に設置された監視カメラの映像を多数確保し、分析しているという。また、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿された事故当時の現場の映像を確保し、状況を再構成しているとのことだ。

 警察は早急に事故原因を究明するため、今回の事件を「デジタル証拠緊急分析」対象に指定した。分析待機時間なしに直ちに証拠の分析手続きに突入し、通常よりもスピーディーに結果を得ることができる。

 それだけでなく、近くの商人や事故現場にいた市民など、目撃者たちから最初に事故が発生した地点、その後の状況の移り変わりなども詳しく聞く方針だ。

◆「誰かが押した」という証言相次ぐ…事実なら処罰可能

 事故現場にいた目撃者や生存者たちの間では、誰かが故意に押したという証言が多数出ている。路地の上の方から「押せ! 押せ!」「こっちがもっと強く押せ」といった言葉が発せられた後、あっという間に列が下り坂で崩れたという内容だ。

 最初に押し始めた人たちに対する具体的な描写も出ている。特に「5、6人の集団が押し始めた」「韓国人男性の集団に外国人も混じっていた」「ウサギのヘアバンドをした男性を捕まえなければならない」などの特徴が繰り返し言及されている。

 事故直前、人々が突然押されて下りて来る状況が収められた映像も公開された。1分ほどの映像を見ると、人々でごった返しているが、比較的円滑に通行していた。しかし、突然下り坂の上の方から人々が一度に押され始めた。このように押される現象は、映像の中で2、3度繰り返された。この過程で、路地の中にいた人たちが両側の商店へとかろうじて逃れる姿も収められている。

 証言が事実なら、故意に押し始めた人たちは刑事処罰を受ける可能性がある。

 U1大学のオム・ゴンウン警察消防行政学科教授はYTNとのインタビューで、「誰かが誰かに危害を加える目的で押したとすれば、刑法的にいくつか引っ掛かってくる部分がある」とした上で「故意の傷害や殺人罪、未必の故意による殺害などの罪が適用されるかもしれない」とコメントした。ただし、「自発的参加イベントで誰か一人を特定して語るには難しい部分もある」と説明している。

キム・ジア記者

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