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韓国の国連人権理事国落選めぐり米識者「文政権による北朝鮮人権問題無視のせい」
トマス・オヘア・キンタナ元国連北朝鮮人権特別報告官は27日(現地時間)、韓国が先日の国連人権理事会(UNHRC)理事国選挙で落選したことについて「過去の文在寅(ムン・ジェイン)政権による北朝鮮人権問題への対応が否定的に作用したため」と明らかにした。キンタナ氏はこの日、米政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」による書面のインタビューで「(韓国が)人権理事会で席を失ったことはアジア太平洋地域にとって良くない知らせだ」とした上で「文在寅政権による北朝鮮人権問題への対応が理事会で(韓国の地位に)否定的な影響を及ぼした」との考えを示した。
韓国は国連人権理事会の理事国にこれまで5回就任した。それが先日行われた2023-25年任期の理事国選挙でバングラデシュ、モルディブ、ベトナム、キルギススタンに敗れ、初めて落選した。これについては「文在寅前政権が国連で北朝鮮人権決議案の提案国に3年連続で加わらず、北朝鮮へのビラ散布禁止法を制定し、亡命した脱北者を北朝鮮に強制送還するなど、北朝鮮の人権問題から顔を背けてきたため」との指摘が相次いだ。キンタナ氏も今年2月の在任中に来韓した際、会見で文在寅前政権が北朝鮮人権決議案提案国に加わらなかったことを批判した。
キンタナ氏は尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が北朝鮮人権決議案の提案に参加したことについて「正しい方向に向かう決定」と述べた。VOAが報じた。キンタナ氏は「人権は常に最優先だ。(韓国の)現政権はこれ以外の問題を優先すべきと主張することはできない」とも指摘したという。人権問題は普遍的価値であり、これを文在寅前政権のように北朝鮮との交渉などを理由に度外視すべきでないという意味だ。キンタナ氏はさらに「北朝鮮は協力のため国連機関に門戸を開き、国連はそのための環境を造成すべきだ」「このような環境造成のために国連人権決議案の共同提案国に参加しないとか、国連北朝鮮人権特別報告官に与えられた義務を放棄してはならない」との考えも示した。
キンタナ氏は2016年8月から今年7月まで6年にわたり国連北朝鮮人権特別報告官として活動した。
キム・ギョンピル記者