▲中国人教授が作成した告知文。写真=インターネット・コミュニティー・サイトより

 光州市内のある大学が「嫌中」の態度を見せた留学生の退学を知らせる告知文に、「韓国は『一つの中国』を支持する」という言葉を使って騒動になっている。大学側は「該当の告知文は中国人教授が作成したものだ」「問題の表現は当大学の公式見解ではない」と釈明した。

 光州市内のある大学が18日に明らかにしたところによると、同大学国際交流処はこのほど、経営学部二重言語課程に在学中の中国人留学生A氏が申請した自主退学を承認した。大学関係者は「留学生管理条例に基づく会議を経て、学生の自主退学申請を認めることにした」と説明した。A氏は学校側の率先の下、13日に中国に向けて出国したという。A氏は今年8月に留学生選考で入学して以降、周囲の学生たちと相次いで摩擦を起こしてきたとのことだ。ルームメイトに暴行されたと虚偽の申告をしたり、寮内で酒を飲んで学生たちともめたりしたとされる。ほかの留学生3人が「A氏を隔離してほしい」という陳情書を学校に提出したこともあるとのことだ。

 同大学のインターネット匿名掲示板「エブリタイム」に掲載された関連告知文には、A氏が校内で起こした騒動が詳しく書かれている。中国語で書かれた告知文を見ると、A氏は今月1日に台湾を称賛する歌を流したり、中国国旗で靴を磨く行動などをしたりしたという。このような行動が中国人留学生の反感を買い、とうとうルームメイトとの口論にまで至った。

 告知文には「韓国と中国は30年以上、友好的な修交関係を結んできた。韓国は『一つの中国』という原則を支持している」「全校の学生がこれをきっかけに留学生管理条例を厳格に順守し、注意するよう望む」と書かれている。「一つの中国」は中国政府が公式に主張している原則で、中国と台湾・香港・マカオなどは切り離せないことを意味する。

 ところがその後、この告知文が複数のインターネット・コミュニティー・サイトに拡散されて騒動になっている。特に、「韓国は『一つの中国』という原則を支持している」という部分が問題になっている。ネット上では「これが韓国の大学の告知文なのか」「いくら外国人留学生受け入れが重要だとは言え、一線を越えた」などの反応が出ている。一部には「大学の立場としては中国人留学生の割合が高いため仕方がなかったようだ」という意見もあった。2021年現在の同大学の総在校生は9088人で、このうち外国人留学生は773人だ。

 これと関連して、大学関係者は本紙電子版に「告知文は中国人教授が中国人留学生を対象に作成したものだ」「A氏に対する中国人留学生たちの怒りは大きかった。中国人教授はこれを解きほぐし、勉強に集中せよという意味でこのような言葉を使った」と釈明した。この関係者はまた、「該当の告知文は全学生に配布された文書ではなく、A氏にのみ公開された行政文書だ」「問題の表現は学校の公式見解ではない」と強調した。その一方で、「敏感な事案だけに、使うべきではなかった表現だった」「今も確認できず、議論の種となった点については遺憾に思う」とも語った。

パク・ソンミン記者

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