4大河川事業に反対する活動を行ってきた複数の環境団体が最近、「洛東江圏域の水道水から緑藻の毒素であり発がん物質である『ミクロシスチン』が検出された」として、環境部に真相究明を要求している。洛東江の緑藻が深刻になっていることが原因だと指摘しているが、結局は「せき」の水門を開放しろという主張だ。

 結論から言えば、塩素・オゾン消毒などを経た浄水でミクロシスチンが発見される可能性はない。家畜のふん尿、工場廃水、緑藻などが混ざった原水でも安全な水に浄化するのが浄水の原理だ。緑藻の濃度が上がったからといって、毒性をろ過できなければ、そもそも水道水のシステムが機能しない。水道管を通っていつでも毒物が届く可能性があるからだ。こうした主張は、滅菌処理された牛乳から牛の内臓にある有害な菌が発見されたというのと同じくらいデタラメなものだ。

 今年の緑藻の発生量は例年より多かった。温暖化で川の水温が上がった影響が大きい。環境部は藻類警報に基づき「関心」段階では週1回、「警戒」なら週2回、「大発生」なら週3回、水道水検査を実施してきた。今年の警報発令期間に実施した検査だけでも340回だ。もし、環境団体の主張通り、こうした浄水システムをかいくぐって水道水からミクロシスチンが検出されたならば、これは「せきの水門開放」の問題ではなく、政府が直ちに全国の上水道の使用を全面中止しなければならない事案だ。

 環境団体がこのような主張の根拠としているのは、「洛東江圏域の水道水を使う一般家庭22カ所の水道水を「酵素結合免疫吸着法(ELISA)」で検査したところ、釜山市・大邱市と慶尚南道昌原市・金海市の6カ所から少量のミクロシスチンが検出された」という慶尚南道地域の国立大学A教授の研究結果だ。この研究用役の発注元は環境団体だ。

 A教授に電話取材し、試料をどの浄水場で採取したのか質問した。すると、帰ってきた答えはあきれたものだった。「研究チームが直接浄水場に行って採取した試料はない」というのだ。「一般家庭でペットボトルに水道水を入れて研究室に送ってきたものもあるし、研究チームが釜山市海雲台区や水営区の一般家庭の水道水を採水したり、この水道水の出発点である大邱市達城郡梅谷・汶山浄水場の水はMBCが採取したりした」と言った。試料の客観性をまったく確保していないということだ。飲料水の検査時は「飲料水水質検査項目運営告示」に基づいて試料の環境を厳しく規制しなければならない。同告示によると、試料は採取後直ちに冷たく暗い状態で保管・運搬し、24時間以内に分析が不可能な場合は0-4℃で冷蔵保管しなければならない。水道水をまるで毒物や劇物であるかのように言っておきながら、実際の実験に使われた水が浄水場で採取されたのかどうかすら研究チームが証明する手だてがない状況なのだ。

 水道水からミクロシスチンが検出されたという主張を調査する官民合同調査団がまもなく発足する。客観的・科学的根拠を提示しても、別の疑惑を絶えず取りざたしてきたようなこれまでの事例が繰り返されないよう願っている。

パク・サンヒョン記者

ホーム TOP