韓国与党・国民の力の李俊錫(イ・ジュンソク)代表を巡る「性的接待疑惑」に関連し、ソウル地方警察庁反腐敗公共犯罪捜査隊は20日、公訴時効が迫ったあっせん収賄などの容疑について、送検見送りの決定を下したことを明らかにした。ただ、警察は李代表の証拠隠滅、虚偽告訴容疑での告発事案については捜査を継続するとした。

 李代表はハンナラ党の非常対策委員として活動していた2013年7月から8月にかけ、アイカイストのキム・ソンジン代表から性的接待を受けたほか、900万ウォン(約93万円)相当の化粧品セットなどを受け取り、13年から15年にかけ、キム代表から秋夕(中秋節)に250万ウォン相当の贈答品を受け取ったとされる容疑で警察の捜査を受けてきた。

 キム・ソンジン代表が主張する「性的接待疑惑」は売買春処罰法の公訴時効である5年が経過している状況だったが、15年までに受け取った贈答品を一括して罪に問えるかがカギだった。これに関連し、警察は買春疑惑について、公訴時効満了にともなう「公訴権なし」を理由に李代表の送検を見送ることを決めた。その上で、15年9月24日に受け取ったという秋夕の贈答品について、警察はあっせん収賄の公訴時効(7年)が迫っているうえ、代価性やあっせん収賄の故意があるとは言いにくいと判断し、嫌疑なしの処分を下した。

 法曹界からは「李代表のあっせん収賄疑惑での送検見送りは予想された結論だ」とする反応が聞かれる。法務法人AKのキム・パンス弁護士は「李代表への接待と秋夕の贈答品授受を一括して罪に問うには時間差が大きく、犯罪の単一性、時間的・場所的な継続性は認められにくいと考えられる」と指摘した。

 しかし、警察は今年1月、李代表が側近に命じ、キム・ソンジン代表側の人物に「7億ウォンの投資覚書」を書き、「性的接待がなかった」という事実確認書を受け取るなど証拠隠滅を試みた疑惑、ユーチューブのチャンネル「カロセロ研究所」を告訴し、キム・ソンジン代表側から虚偽告訴の疑いで告発された事件については、捜査を継続する方針だ。法律専門家は「警察が疑惑について結論を下すためには、実際に『性的接待』があったかどうかを判断する捜査が避けられないのではないか」と話した。

キム・スギョン記者

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