【韓国ジェンダーリポート2022】〈第11回〉

 公共機関に勤めるイ・ミンジさん(35)は「現在、韓国社会で起きているジェンダー対立は、政界があおっている部分が大きい」と話す。「日常では男女対立を深刻に感じていない」というイさんは「政界が票稼ぎのためにイデナム(韓国でフェミニズムに否定的な傾向を持つ20代の男性)とイデニョ(韓国でフェミニズムに肯定的な傾向を持つ20代の女性)を引き離し、対立を深刻化させた」という。

 韓国国民の半数以上は、政界が選挙で票を得るために男女対立を利用していると考えている。朝鮮日報とソウル大学社会発展研究所が16歳以上の男女1786人を対象に行った「2022大韓民国ジェンダー意識調査」で、回答者の56.9%は「政界が『イデナム』の不満について話すのは票稼ぎのための政治的分裂」という点に同意すると答えた。政界が「イデニョ」の不満を扱うことも、国民の多数(57.4%)にとって政治的対立と見えるのは同じだった。当事者である20代男性(42.1%)、20代女性(48.1%)でさえ、政界が票稼ぎのために20代男女の不満に触れている、と見ている。男女対立の解消のために必要な措置(複数回答)としては、国民の半数以上(56.1%)が「政治家が男女対立を止めなければならない」と答えた。

 男女対立論議の中心にある女性家族部(省に相当)については、国民の半数以上(55.3%)が「女性家族部は存続・改編されるべきだ」と答えたものの、半数(46.8%)に近い国民は「女性家族部が男女対立を深刻化した」という点に同意した。女性家族部に対する否定的な評価は、20代女性(47.8%)、30代女性(44.5%)でも高かった。

 一方、政界で女性の地位は依然として低いことが分かった。本紙と、超党派女性議員ネットワーク・韓国女性議政が前・現職の女性国会議員を対象にアンケート調査を行った結果、回答者の42.3%が「主な党役員任命や選出で、不利益を受けたことがある」と答えた。「同僚の男性議員や党の幹部にセクハラされたことがある」と答えたケースも19.2%に上った。

キム・ギョンピル記者

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