▲ソウル市内のある半地下住宅の防犯窓。食品トレイで作った雨よけが挟まっている。15日撮影。/聯合ニュース

 ソウル市は15日、「半地下住宅住民引っ越し対策」を発表した。半地下住宅の住民が公共住宅に引っ越せるよう支援するため、今後20年かけて公共賃貸住宅を23万戸供給するという。また半地下住宅から地上階に引っ越した場合は最長2年間、毎月20万ウォン(約2万円)の補助金を支給する。

 半地下住宅では毎年梅雨になると浸水被害が発生しやすいことから、ソウル市は今月10日に半地下住宅をなくす方針を発表し、今回その具体的な支援の方法を明らかにした。ソウル市はまず市内に20万世帯あるとされる全ての半地下住宅について実態調査を行う。調査を通じて半地下住宅の正確な位置、浸水の危険性、家賃、貧困階層かどうかなどを把握し、その上で総合的なロードマップをとりまとめ、賃貸住宅への引っ越しを支援する計画だ。

 また老朽化した公共賃貸住宅団地の再建築を行うことで公共賃貸住宅を十分に確保する計画も明らかにした。ソウル市によると、今後20年以内に再建築年限の30年を迎える老朽化した公共賃貸住宅はソウル市内に258カ所、11万8000世帯あるという。これらを再建築すると同時に建ぺい率を高めることで23万戸以上を確保する方針だ。これによって公共賃貸住宅の供給を増やすと同時に、半地下住宅は再開発などを通じてその数を減らしていくという。ソウル市の関係者は「再開発などの整備事業を行う候補地を公募する際、浸水被害が発生しやすい地域を優先し、その地域の半地下住宅の数を減らしていきたい」「その場合、毎年8000戸以上の半地下住宅が整備の対象に含まれ消えていくだろう」と説明した。

 ソウル市は半地下住宅の住民が地上階に引っ越す場合、家賃などの負担を軽減する「特定バウチャー(利用券)」も新たに設け、毎月20万ウォンを最長2年間支援する計画だ。

 ソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長は「国土交通部(省に相当)と協力し、浸水や火災などへの対応が難しい半地下住宅の住民からまずは公共賃貸住宅に引っ越せるよう支援したい」とコメントした。

崔鍾錫(チェ・ジョンソク)記者

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