▲3日午後、京畿道の烏山米空軍基地に到着したペロシ米下院議長。写真=駐韓米国大使館のツイッターより

 ナンシー・ペロシ米下院議長が4日夜、日本に到着した。この前日に韓国に到着した際、ペロシ議長を出迎えた韓国側の関係者が1人もいないという「儀典欠礼」騒動が起こったのとは違い、日本は国会議員を4期務めている外務副大臣がペロシ議長を空港で出迎えた。

 NHKは、ペロシ議長ら米連邦下院議員団が搭乗した専用機が同日午後9時50分ごろ、東京都福生市にある在日米軍横田基地に到着したと報道した。ペロシ議長は同日午後8時15分ごろ、京畿道平沢市内の在韓米軍烏山空軍基地で専用機に搭乗して日本に向かった。

 ペロシ議長が専用機から降りた時、日本側からは小田原潔外務副大臣が滑走路に出て出迎えた。小田原副大臣は与党・自民党所属で衆議院議員を4期務めている。昨年10月、岸田内閣で副大臣人事の際、外務副大臣に抜てきされた。東京大学経済学部を卒業し、メリルリンチ証券、ゴールドマン・サックス証券、モルガン・スタンレー証券などで勤務した。

 これとは対照的に、ペロシ議長が前日、烏山基地に午後9時26分ごろに到着した時、滑走路に韓国側の関係者は誰も出迎えていなかった。駐韓米国大使館が公表した入国時の写真を見ると、フィリップ・ゴールドバーグ駐韓米国大使、ポール・ラカメラ在韓米軍司令官ら米国側の人物だけが出迎えた。

 「儀典欠礼」と批判の声が上がると、韓国大統領室・外交部・国会は互いに責任をなすりつけ合う姿勢を見せた。大統領室の崔英範(チェ・ヨンボム)広報首席秘書官は「ペロシ議長の訪韓による空港の出迎えなど諸般の儀典は(カウンターパートである)韓国国会が担当するのが外交上・儀典上の慣例」と述べた。

 また、崔首席秘書官は「米国側が出迎えを断り、韓国議会の儀典チームが空港の出迎えまではしなかったもので、双方間の了解と調整ができている状況だと聞いている」「確認したところ、国会の儀典チームが(空港に行って)出迎えようとしたが、米国側が遅い時間に、しかも空軍基地を通じて到着するという点を考慮して出迎えを断ったそうだ」と説明した。

 外交部の安恩珠(アン・ウンジュ)副報道官は「外国の国会議長など議会関係者の訪韓については通常、韓国政府関係者が出迎えることはない」と説明した。外交部は1997年、ニュート・ギングリッチ米下院議長=当時=が訪韓した時や、最近の他国の国会議長の訪韓時にも政府側から出迎えの人物を出していないと述べた。

 国会関係者は「出迎えについては既に複数の所で(米国側に)経緯を説明したものと聞いている」と言った。また、ペロシ議長と金振杓(キム・ジンピョ)国会議長の会談と昼食会については「雰囲気が非常に良かった。金振杓議長と大韓民国国会の歓待に『とてもありがたい』と感謝の言葉を何度も言った」「こうした雰囲気から見れば、ペロシ議長が(儀典欠礼で)不愉快な思いをしたというのは理解できない」と語った。

 「台湾政府はペロシ議長を出迎えた」という報道陣の指摘に、この関係者は「それは台湾の事情だ」「台湾で(出迎えを)したからと言って、韓国も必ずしなければならないのか。それは違う」と答えた。

 一方、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領はペロシ議長に会わなかった。大統領室は前日、尹大統領が今月1日から5日まで夏休み中だからだと説明したが、批判の声が上がると、「すべては国益を総体的に考慮して決定したものだ」と釈明した。中国がペロシ議長の台湾訪問に強く反発している状況を意識したものと解釈される。その代わり、ソウル市瑞草区の自宅にいる尹大統領は同日、ペロシ議長と下院議員団、ゴールドバーグ駐韓米国大使ら7人と40分間にわたり電話会談をした。

ソン・ドクホ記者

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