「ラブドールの通関を認めなかったところ、裁判所で16戦16敗した」

 韓国関税庁関係者は12日、半身型のラブドールの通関を許可した理由を尋ねる質問にそう答えた。関税庁はこれまでシリコン製の人形で性的な器具として使われるラブドールについて、関税法234条1号が定める「風俗を害する物品」に当たると判断し、通関を保留してきた。しかし、それを不服とする輸入業者が起こした訴訟で裁判所は全て輸入業者の主張を認めた。

 関税庁によると、ラブドールの通関保留処分を不服とする訴訟は5月までに44件起こされた。うち16件で判決が出たが、全て「わいせつ物は時代によって異なり、相対的な概念だ。ラブドールはわいせつ物ではない」との趣旨で、通関保留処分を取り消す判決が下され、関税庁は全敗した 残りの28件のうち4件は取り下げられ、24件が係争中だ。

 関税庁関係者は「輸入と通関を保留すると、業者が提訴する状況が繰り返され、訴訟費用が増大している」と話した。ラブドールの通関保留件数は2017年の13件から18年は101件、19年は356件、20年は280件、21年は428件と増え続けた。今年は5月までに210件に達する。

 相次ぐ敗訴の結果、関税庁は先月27日、全身型ではなく上半身、下半身など身体の一部を描写したラブドールに対する通関許可指針を各税関に伝えた。全身型や未成年者または特定人物をモデルにしたラブドールについては、未成年者をモデルとしたラブドールを巡る破棄差し戻し審の判決が来月見込まれることから、その結果を見守って判断する予定だ。関税庁の半身型ラブドール通関許可に対し、女性団体などは「女性の身体を性的道具化するものだ」と反発している。

キム・テジュン記者

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