▲ホ・ジュニ教授夫妻とハーバード大学の広中平祐名誉教授(左)。/ホ・ジュニ教授提供

 ホ・ジュニ教授の人生はハーバード大学の広中平祐名誉教授(91)がソウル大学で行った数学の講義を受講したことで変わった。1970年にフィールズ賞を受賞した学者の講義は数学専攻者でさえ放棄するほどその内容は難しかったが、当時物理学を専攻していたホ教授は最後まで聞いた。ホ教授は「専攻は違ったが広中教授が語った例えを幾つか理解するだけで十分と考えた」「後からもし科学分野のジャーナリストになれば広中教授にインタビューしたいとも思った」と語る。

 ホ教授はある日、一人で食事していた広中教授に声を掛け、その後二人は毎日昼食を共にするようになった。ホ教授は「広中教授は昔の理論ではなく当時自分が研究していた内容を紹介してくれた」「その時誰かが実際に数学を研究する姿を初めて見た」とも述べた。

 ホ教授は京都の広中教授の自宅で過ごすほど二人は親しくなった。ホ教授は広中教授の勧めでソウル大学数学科の大学院に進学し、広中教授の推薦で後に米国に留学した。数学の難題を解くときも広中教授の「特異点の解消」に関する研究が基礎になった。

李永完(イ・ヨンワン)科学専門記者

ホーム TOP