サッカー
英プレミア得点王ソン・フンミン、人種差別コメント12人から謝罪の手紙を受け取っていた
サッカー英プレミアリーグ(EPL)のトッテナム・ホットスパーFCで活躍するソン・フンミン(29)がインターネット上で自身に対する人種差別発言をした英国のサッカーファン12人から謝罪の手紙を受け取っていたことが分かった。20日(現地時間)、英スカイスポーツが報道した。昨年4月11日(現地時間)のマンチェスター・ユナイテッド(マンU)とのEPL公式戦後、ソン・フンミンに対して「目の小さな黄色人種」「犬肉でも食っていろ」などの激しい人種差別発言をした加害者たちを英国の警察が捜査を始めてから約1年2カ月後のことだ。
ロンドン警察は、この試合から1カ月後の昨年5月、ネット上でソン・フンミンに対し深刻なレベルの人種差別発言をした加害者12人を特定し、捜査に着手した。12人のうち10人が20代で、30代と60代がそれぞれ1人ずつだという。
1年間の捜査の末、警察が下した措置は「ソン・フンミンに謝罪の手紙を書くように」というものだった。英国には軽犯罪を犯した者を直ちに司法処理せず、加害者と被害者が円満に和解できるようにする「共同体紛争解決(community resolution)」という手続きがある。その一環としてソン・フンミンに謝罪の手紙を書かせたのだ。彼らが書いた手紙の具体的な内容は公表されていないが、加害者12人全員が自身の人種差別発言を反省し、ソン・フンミンに謝罪したと警察は明らかにした。
発端は昨年4月のマンUとの試合だった。ソン・フンミンは前半33分、相手チームの選手スコット・マクトミネイのドリブルを阻もうとした際、マクトミネイが振り回した腕に顔が当たり倒れた。このシーンはビデオ判定(VAR)の末、反則と判断され、続く場面でマンUが決めた先制ゴールが無効になった。ソン・フンミンはビデオ判定が行われていた約3分間、ピッチに横たわって顔を覆い、苦痛を訴えていた。
マンUはソン・フンミンが1ゴールを決めたトッテナムを3-1で破ったものの、このシーンは議論の的になった。マクトミネイがソン・フンミンに対し故意に攻撃を加えたという意見と、ソン・フンミンが反則という判定を引き出すため、いわゆる「ハリウッドアクション(オーバーアクション、シミュレーション)」をしたという意見があった。当時のマンUのオーレ・グンナー・スールシャール監督は試合後「私の息子が3分間寝転がって、起こしてもらおうと思って10人の友達に助けてもらわなければならない状況を演出したら、私は息子にどんな食べ物も与えないだろう」と言ってソン・フンミンを批判した。
すると、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上では一部のサッカーファンがソン・フンミンを批判して人種差別発言をした。ソン・フンミンに対して「家に帰って犬肉でも食っていろ」「小さな目の黄色人種」「中国の演技大賞候補」などのヘイトスピーチ(憎悪発言)が多数投稿された。EPLのチームは人種差別を放置するSNS企業に抗議する意味で4日間、SNSをボイコットした。
キム・ヨンジュン記者