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フィリピンでピーナッツ売る韓国人少年? ネット民が泣いた「コピノ」の境遇
フィリピンでピーナッツを売って生活するある「コピノ(韓国人男性とフィリピン人女性の間に生まれた子ども)」の境遇が動画共有サイト「ユーチューブ」を通じて伝えられた。
彼の名はRJ(ライアン・ジェイ)、13歳だ。彼はフィリピンのバコロド市にあるスラム街で母親とその弟である叔父と一緒に暮らしている。叔父はレチョン(ブタの丸焼き)店で働いている。母親はもともと街でレモンを売っていた。病気の母親に代わって仕事を始めたRJはファストフード店「ジョリビー」や「マクドナルド」の前で袋に入ったピーナッツを売っている。小売店から1袋5ペソ(約13円)で仕入れ、10ペソ(約25円)で売る。このようにピーナッツを売って稼ぐお金は一日100ペソ(約250円)ほどだ。
RJは2009年4月に生まれた。彼の母親はマニラで会った韓国人男性と短い期間交際してRJを妊娠した。妊娠・出産を男性に知らせたが、支援はなかったという。RJの父親が腹を立てたという話だけを知人を通じて伝えられたそうだ。
フィリピンでは普通、父親の姓を継ぎ、ミドルネームに母親の姓を使う。だが、RJにミドルネームはない。父親の城ではなく母親の姓を継いだからだ。母親はRJの父親の名前が「ジェームズ」だと聞いているだけで、韓国の名前や住所は知らないという。
RJの状況は現地で韓国料理店を経営しているキムさんを通じて伝えられた。キムさんが先日、「ジョリビー」でテイクアウトしようとした時、その前でピーナッツを売っていたRJに偶然会い、彼と話をしてコピノであることを知ったそうだ。
キムさんはRJと出会った時の動画を今月2日、ユーチューブに掲載した。反応は爆発的だった。再生回数は90万回を超え、ネットユーザーらがスーパーチャット(投げ銭)などを通じて支援金を送ってくれた。「これほど韓国人に似ているコピノは初めて見た。胸が詰まった」「RJには夢を失わずに勉強を続けてほしい」「RJにおいしいものを買ってやってください」「韓国で暮らしていたら親の愛をたっぷりもらっていたはずなのに」などのコメントが寄せられている。
これをきっかけにキムさんはRJと交流を続けている。RJとその母親にサムギョプサル(豚バラ肉の焼肉)などを振る舞い、生活用品や学用品などを買い与える動画も掲載した。RJが一番好きな食べ物はキムチだ。マニラで韓国学校に通っていた時に食べたという。キムさんが「お父さんについてどう思う?」と尋ねたところ、RJは笑いながら「憎いです」と答えた。それでもRJは父親の母国語である韓国語を学び続けるのが目標だという。
キムさんはRJに関する動画を順次掲載する考えで、RJが大人になるまで支援金を管理してくれる人を探すことを明らかにした。
チェ・ヘスン記者