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米国防部「説明できないがUFOはいる…国の安保上、潜在的脅威」
17日午前9時35分ごろ(現地時間)、米連邦議会議事堂HVC-210号聴聞会場に設置された大型スクリーンの前にスコット・ブレイ米海軍情報部副部長が歩み出た。ブレイ副部長は軍用機操縦席の窓の向こうに広がった青い空を約8秒間撮影した映像を見せ、「パイロットたちが飛行中に撮影した映像だ。何か光るものが操縦席付近を素早く通り過ぎていく様子が見える」と言った。そして、「この物体が具体的に何なのか私には説明できない」と語った。昨年、米海軍の飛行練習場で撮影され、「未確認航空現象(UAP)タスクフォース」に引き継がれた映像だが、今も合理的な説明ができないということだ。
この日、米下院情報委員会傘下の対テロ・スパイ防止・核拡散防止(3C)小委員会は、ロナルド・マルトゥリ国防部情報・保安担当次官とブレイ副部長を呼び、UAPに関する聴聞会を開いた。UAPはかつての「未確認飛行物体(UFO)」に代わって米軍が現在使用している用語だ。米議会がUFO問題を集中的に協議する公開聴聞会を開いたのは、米空軍が同問題調査のための「ブルーブック・プロジェクト」を終了させた1970年以来、52年ぶりだ。
3C小委員長を務める米民主党所属アンドレ・カーソン議員は冒頭の発言で「今回の聴聞会の核心は『UAPは国の安全保障上の潜在的な脅威だ。そのように扱うべき必要がある』というシンプルな考えだ」と話した。UAPの目撃談を荒唐無稽(むけい)な話と見なさず、真摯(しんし)に調査する文化を定着させるために責任者たちを呼び、聴聞会を開いたという意味だ。野党幹事の米共和党のリック・クロフォード議員は「情報当局は、中国やロシアのような潜在的敵国が想定外の新技術で我々を驚かせるような事態を予防する真摯な義務を、納税者たちに対して負っている」と述べ、UAPが中露の新型飛行体または武器である可能性に言及した。
約1時間半行われた同日の公開聴聞会で、ブレイ副部長は「2000年代初めから軍事統制区域、・訓練場・その他の飛行禁止区域で未承認もしくは未確認の航空機や物体を見たという報告が増加しており、このような目撃報告は頻繁かつ持続的だ」「報告増加の一因は否定的認識を減らし、『何か見たら報告せよ』というメッセージを明確化したものだ」「否定的認識が減ったことで、UAPタスクフォースのデータベースには現在約400件の報告が蓄積されている」と言った。ブレイ副部長はドローンやクワッドコプターのような無人機の増加、感知センサーの性能向上、アルミバルーンの一般化などもUAP増加と関連があると述べた。
ブレイ副部長はさらに、「一部のUAPの性質を分析するのにあたって進展もあった」として、2019年と2022年にそれぞれ米西部海岸と東部海岸で撮影された映像を公開した。米海軍が暗視鏡で撮影した映像には光を放って飛んでいく三角形の物体が写っていた。ブレイ副部長は「この現象は何年も解決されていなかったが、最近同様の現象と共に海軍の他の資産(機材)に無人機がとらえられた」「今、我々はこれらの三角形がおそらく無人機であり、光が暗視鏡を通過して三角形のように見えるという合理的な確信を持つことができる」と述べた。
米国防総省は2020年、米海軍内に「UAPタスクフォース」を正式に発足させた。11月にはこれを「空中物体識別・管理・同期グループ(AOIMSG)」に変更した。中国もUAPを調査する同様の組織を設置している、とブレイ副部長は同日の聴聞会で明らかにした。米国家情報長官室(ODNI)が昨年6月、米議会に提出した予備報告書によると、UAPタスクフォースは2004年から2021年までの間、米政府関係者が報告した144件のUAPを集中的に調査したとのことだ。そのうち1件については「空気が抜けた大きな風船」が原因だったことを確認したが、残りの143件については明確な答えが得られなかった。
ブレイ副部長は同日の聴聞会で「米軍の資産と未確認物体が衝突したことはなかったが、衝突しそうになった事例は11件あった」「タスクフォースが確保した物質のうち、地球外から来たものはなかった」と述べた。
ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員