英国と日本がロシア・中国けん制を目的に120年前に締結した同盟関係を復活させようとしている。20世紀の始まりと同時に1902年に締結された英日同盟は第1次世界大戦後の1923年まで世界における両国の立場強化に大きな役割を果たしたが、最近も急激な国際情勢の変化に対応するため両国の利害関係が一致し、新たな次元の同盟が強く求められているためだ。

 英国のボリス・ジョンソン首相と日本の岸田文雄首相は5日(現地時間)にロンドンで首脳会談を行い、両国の「円滑化協定(RAA)」締結に向け大枠で合意した。これには両国の防衛関係者が入国する際にビザを免除し、兵器や弾薬を即座に搬入できるとする内容が含まれている。RAAは事実上の軍事同盟に準ずるとも評価されている。これによって両国は共同軍事訓練をさらに増やし、円滑に行うためいつでも大規模部隊が相手国に入国できるという。日本がこの協定で合意するのは今年1月のオーストラリアに次いで英国が2カ国目だ。英日間の軍事面での接近はここ6-7年で一気に進展した。2015年から外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)が4回開催され、昨年9月には英国の最新鋭空母クイーン・エリザベスが日本に初めて寄港した。

 この日午前、英国空軍の戦闘機ユーロファイター・タイフーンも参加し戦闘機などによる歓迎式典が行われた。現在日本の自衛隊の主力戦闘機はF2だが、これに続く次世代戦闘機開発を共同で進める方策についても両首脳は意見交換した。タイフーンは英国、ドイツ、イタリア、スペインが共同で開発した戦闘機で、今も欧州を代表する次世代機種だ。

 会談後、ジョンソン首相は日本の読売新聞の取材に応じ「両国は同じ島国の君主制であり、民主主義国家として長く共通の立場と利害を共有してきた」「欧州と東アジアの安全保障は不可分の関係であり、ウクライナで起こっている事態は台湾や南シナ海とも直接の関係がある」と述べた。中国がロシアによるウクライナ侵攻と同じ軍事行動に乗り出す可能性を指摘したのだ。岸田首相も「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」とした上で「力による一方的な現状変更はインド・太平洋、とりわけ東アジアにおいては許容してはならない」との考えを示した。日本の各紙は「ジョンソン首相は英日安全保障協力の拡大に意欲的」と報じた。

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