日本のバラエティー番組における罰ゲームなどで頻繁に登場するビンタなどの暴力行為が制裁されることになりそうだ。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が2日、報道した。SCMPによると、日本のメディア監視団体である放送倫理・番組向上機構(BPO)は「バラエティー番組およびお笑い番組で他人の精神的・肉体的な痛みを伴うことを笑いの対象とする場面は、これを視聴する青少年の共感性の発達や人間観に望ましくない影響を与える可能性がある」という内容を含む報告書を先月、発表した。BPOは特に「このような番組で(笑いを誘うための)日常的な暴力や嘲笑などを若者たちがまねしていじめを生んでいる」として、制作者たちにもっと注意を払うよう促した。

 

 日本のバラエティー番組には出演者の頬(ほお)をたたいたり、出演者に屈辱を与えたりする場面がよく登場する。サッポロ大学のワタナベマコト教授は「このようなお笑い番組は誰かを標的にして笑いを誘う」「番組制作予算が十分でない各放送局は視聴者を笑わせるために暴力に依存している」と分析した。米国の文化評論家ガービン・ブレア氏は「この種のお笑い番組は日本のテレビバラエティー番組の90%を占める」「政治風刺などよりも頬をたたくことが笑いを保障する『安全な方法』だと思っているからだ」と指摘した。日本ではビンタなどをお笑いタレント養成所で教えることもあるとSCMPは伝えた。

 BPOが日本のバラエティー番組に制裁を促したのは2007年以来だ。BPOは当時も「出演者に対する暴力的あるいは性的行為を再考せよ」と要請した。しかし、BPO制裁は日本の若い世代にあまり影響を与えないだろうという見方もある。テレビ視聴者の大多数が中高年層であり、若者たちは動画共有サイト「ユーチューブ」などソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を主に利用している現在の状況で、テレビバラエティー番組に対する規制だけで若い世代の社会問題を解決するには限界がある、ということだ。

キム・スギョン記者

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