政治総合
韓国の民主と正義を踏みにじった共に民主党と正義党、検察捜査権剥奪法案を強行採決
共に民主党と正義党が先月30日、国会本会議で「検察捜査権完全剥奪(はくだつ)」法案を強行採決した。共に民主党は同日、国民の力が反発する中で検察庁法改正案を通過させ、今月3日午前10時には本会議で刑事訴訟法改正案も処理する方針だ。共に民主党は青瓦台(大統領府)で3日午前行われる予定の国務会議(閣議に相当)も検察捜査権完全剥奪法案公布のため日程を遅らせてほしいと言った。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が発足しても、検察捜査権完全剥奪を覆せないようにトドメを刺すということだ。進歩系の法曹関係者さえも「庶民事件焦土化法」と批判したが、共に民主党は1日、「検察正常化のための大きな一歩」と言った。
共に民主党は30日の本会議に刑事訴訟法改正案を上程した後、国民の力がフィリバスター(無制限討論)に出るや、27日に続いて再び「会期分断」により強制終了させた。共に民主党は今回、検察捜査権完全剥奪を推し進める際にさまざまな便法や小細工まで動員し、国会先進化法が保障した与野党合意制度を無力化させた。90日まで議論が保障されている案件調整委員会は所属議員を「偽装離党」させて8分で終了させ、フィリバスターを会期分断により封鎖した。
本会議表決では共に民主党議員168人のうち新型コロナウイルス感染症などで欠席した議員を除く161人全員が賛成した。これまで検察捜査権完全剥奪に対して批判・懸念する見解を表明していた議員たちもすべて賛成票を投じた。2019年の高位公職者犯罪捜査処(公捜処)設置法表決時に棄権票を投じて党推薦を外されるという懲戒処分まで受けた琴泰燮(クム・テソプ)元議員の事例以降、共に民主党で「所信投票(党の方針に反してでも自分の考えで投票すること、党議拘束造反)」が姿を消したとの批判もある。正義党も所属議員6人全員が賛成した。正義党は2-3週間前まで「時期も方式も内容も同意しがたい」として共に民主党の拙速な推進を批判していた。その正義党が同日、全員賛成したことから「また『共に民主党第2中隊』だ」「それでも庶民と労働者の声を代弁する政党か」という批判が噴出している。
国民の力は「共に民主党の立法暴走に民主主義が踏みにじられた」と言った。検察は「70年にわたる刑事司法の1つの軸を崩した。議会民主主義の歴史に大きな汚点として残るだろう」と述べた。大韓弁護士協会では第一線の弁護士の73%が「検察捜査権調整後、『捜査遅延』で困難を来している」というアンケート結果を公表し、「状況がさらに悪化し、国民の負担が増すだろう」と話している。
パク・サンギ記者