▲李在鎔サムスン電子副会長、辛東彬ロッテグループ会長

 韓国で5月8日の釈迦誕生日を控え、文在寅(ムン・ジェイン)政権最後の特別赦免が議論される中、経済団体はサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長、ロッテグループの辛東彬(シン・ドンビン)会長=日本名・重光昭夫=をはじめとする企業経営者の赦免と復権を求めている。

 大韓商工会議所、韓国貿易協会、中小企業中央会、韓国経営者総協会、韓国中堅企業連合会は25日、「経済発展と国民統合のための特別赦免復権請願書」を青瓦台と法務部に提出したと発表した。今回の赦免請願対象者リストには、李在鎔副会長と辛東彬会長らが含まれた。これら経済5団体は請願書を通じ、「コロナと米中対立、ロシアのウクライナ侵攻によって、世界経済は一寸先も分からない危機状況にあり、危機克服と未来の競争力確保のために能力のある企業経営者の献身が必要だ」と指摘した。また「経済界が透明経営、倫理経営の風土を定着させ、新企業家精神で武装し、国民に信頼され愛されるよう最善の努力を尽くす」と述べた。

 

 今回の赦免請願対象者は、既に刑期を終えているか、刑期の大半を服役し仮釈放状態の企業経営者、執行猶予判決を受けた企業経営者で約20人だという。李在鎔副会長は国政介入事件で懲役2年6月の実刑判決を受けて収監され、昨年8月に仮釈放された。仮釈放の身分であるため、海外出張などの経営活動に制約があり、市民団体を中心に就業制限ではないかとの議論が絶えず起きている。辛東彬会長も国政介入事件と関連し、2019年10月に大法院で懲役2年6月、執行猶予4年を言い渡された。執行猶予期間が終わる来年10月までは海外出張や海外企業との契約の際、かなりの困難に直面することになる。

 財界からは韓国企業を取り巻くグローバル経営環境の不確実性がますます高まっている状況で、主な企業経営者を司法処理した文在寅政権が「結者解之」(韓国語で自分が起こした問題は自分で解決すること)を望む声が根強い。特に政界から金慶洙(キム・ギョンス)元慶尚南道知事、チョ・グク元法務部長官の夫人チョン・ギョンシム教授に対する特別赦免の話が出ている状況で、韓国経済のために奔走しなければならない企業経営者だけが疎外されるべきではないとの要求だ。

 大韓商工会議所の禹泰熙(ウ・テヒ)常勤副会長は「企業経営者に対する特別赦免、復権措置を通じ、韓国社会が対立と葛藤を癒やし、より高いレベルの国民統合を成し遂げられることを希望する」と述べた。韓国経営者総協会の李東根(イ・ドングン)常勤副会長は「主な大企業の総帥らの赦免・復権措置を通じ、そうした大企業が思い切った投資とM&A(合併・買収)に参入できる経済環境を整えてもらいたい」と述べた。

辛殷珍(シン・ウンジン)記者

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