3月21日、Aさん(55)の携帯電話に「娘」と表示された電話がかかってきた。番号録に登録してあったため、本当に娘が電話をしてきたと思った。電話に出ると、電話口で女性が泣きながら「お母さん!私、暴行された」と言い、次に電話を替わった男は「娘はここにいる。ソウル市冠岳区新林洞に500万ウォン(約50万7000円)を持ってこい」と脅した。驚いたAさんは指定場所に急行して現金を渡した。しかし、それは詐欺だった。 現金を渡した直後、弟に事情を告げ、詐欺を疑った弟が娘と直接連絡を取り、安全を確認したという。

 

 警察庁国家捜査本部によると、携帯電話に発信者の番号が表示されることを利用し、実際に家族や知人が電話をかけたように見せかける新手の詐欺が横行しているという。詐欺グループは普段から犯行の対象を物色し、娘や息子、両親の電話番号を把握後、海外からの発信番号を偽装して電話をかけるとされる。実際は国際電話なので、「+006 82」のような局番が前に付いているが、電話番号の末尾8桁が携帯電話に登録されている番号と一致した場合、娘や息子、両親が電話をかけたように表示されてしまう。 詐欺グループがこうした手口で電話をかけた後、「家族を拉致しているから金を送れ」「裸の写真を送れ」などと脅し、金銭を奪う事件が相次いでいるという。

 大学生のBさん(21)も3月15日、同様の詐欺被害に遭った。母親の番号で電話がかかってきたが、別人が母親のふりをし、「大変だ、拉致されたようだ」と泣いたという。その後、別の男が電話に出て、「3000万ウォンを払うか、裸で画像通話をしろ」と脅した。 警察は「こうした犯罪の対象にならないためには、普段から知人の連絡先など個人情報が流出しないようにきちんと管理すべきだ」と呼びかけた。

イ・ヘイン記者

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