▲金正淑氏が2019年6月、北欧を歴訪した際の様子。スウェーデンのシルビア王妃と共に馬車に乗り、ストックホルム市内を移動している。/NEWSIS

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の夫人、金正淑(キム・ジョンスク)氏が論議を呼んだ2019年のノルウェー訪問中、有名観光地ベルゲンの「グリーグの家」以外にも、ムンク美術館など世界的に有名な美術館を2カ所訪問していたことが分かった。ノルウェー訪問は滞在期間が48時間に満たなかったが、日程に世界的な絶景として知られるフィヨルド通過や作曲家エドワルド・グリーグの記念館である「グリーグの家」を訪れたことが当時も問題になった。金正淑氏は訪問中、歴代ファーストレディの主要日程だった公館員家族や韓国学校関係者、養子縁組児童への慰労や激励などを全く行わなかった。

 

■「海外見物ではない」と言いながら、美術館2カ所のほかK-POP公演も

 約3年前、青瓦台は文在寅大統領夫妻の歴訪に「観光日程」が多いと新聞のコラムで指摘した中央日報のコラムニスト南禎鎬(ナム・ジョンホ)氏を提訴した。当時のコラムは19年6月のノルウェー訪問で大統領夫妻がフィヨルドを経てベルゲンに到着し、グリーグの家に立ち寄った日程を取り上げ、「2日だけの公式日程のうち1日を風景が良いベルゲンに充てた」「今は見物している場合か」といった非難を浴びないようにノルウェーでの日程を見直すべきだったと批判した。これに対し、青瓦台は直ちに反応。副報道官の会見で「誤った情報を誤った視線で羅列した事実歪曲だ」「海外見物として描写している」などとコラムを批判した。

 そうして始まった訴訟の過程で、これまで明らかになっていなかった新事実が判明した。青瓦台が「文大統領夫妻は前任者に比べ、特に観光地を多く訪問してはいない」という趣旨で裁判所に提出した当時の非公開日程だ。

 それによると、金正淑氏はオスロで文大統領とは別行動でこれまで知られていなかった美術館2カ所を訪れていた。ムンク美術館とソニア王妃の厩舎美術館(The Queen Sonja Art Stable)だ。ムンクはノルウェーが生んだ世界的画家。ソニア王妃の厩舎美術館は1849年に建てられた厩舎をハーラル5世がソニア王妃のために美術館として改造し、17年にオープンした場所だ。韓国の観光業界ではあまり知られていないが、海外観光サイトでは高い評価を受けている。

 また、オスロで開かれたK-POP公演を文大統領夫妻が観覧していたことも再び注目を集めている。青瓦台は公演の前日に「深刻な理由」で観覧を中止するとメディアに告知したが、当日になって、文大統領夫妻が公式な説明がないままでノルウェー国王一家と共に公演を観覧したからだ。 ノルウェー訪問前日の6月11日、YTN、聯合ニュースTV、NEWSISは日程取り消しを報じ、金大中(キム・デジュン)元大統領夫人の李姫鎬(イ・ヒホ)氏死去を追悼する期間の公演観覧は適切でないと判断し、出席を取りやめたという青瓦台関係者のコメントも伝えた。また、ハンガリーでは当時、韓国人団体観光客を乗せた遊覧船が沈没し、捜索作業が行われていた。この事故では27人が死亡し、1人が行方不明になった。

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