23日、新型コロナウイルスによる一日の死亡者数は470人と過去最多を記録した。これまでの最多記録だった16日の429人を1週間で塗り替えたものだ。

 感染者増加に伴う死亡者増加が通常2-3週間の時差を置いて現れることから、専門家らは死亡者数がこれから本格的に増える時期に達するとみている。今の死亡者数は、今月初めに感染者が10万-20万人台だった時期を反映している。感染者数は16日に62万人まで増えたが、最近も連日30万-40万人台を行ったり来たりしている。専門家らは、現在500人に迫りつつある一日の死亡者数が今後は1000人規模に増えるものとみている。嘉泉大学吉病院感染内科のオム・ジュンシク教授は「オミクロン株の死亡率は低いとは言え、あまりにも多くの人が感染すれば、ハイリスク群を中心に死亡者が増えるしかない」と話す。事実、最近は死亡者の中でも新型コロナ脆弱(ぜいじゃく)層である60代以上の割合が増えている。23日の死亡者のうち60代以上は441人で、全体の93.8%を占めている。こうした状況のため、数が足りていない経口治療薬パキロビッドの処方が十分に行われないなど、対応能力が限界を来していると指摘されている。

 

 それでも、政府はまだ余裕がある状況だとの見解を示している。中央事故収拾本部の孫映レ(ソン・ヨンレ)社会戦略班長は同日、「昨年12月のように重症者用病床がなくて死亡するという状況は発生していない」「少なくとも治療側での問題はない」と述べた。しかし、専門家らは死亡者急増という事態を防ぐための備えを急がなければならないと指摘する。オム・ジュンシク教授は「政府は病床に余裕があると言っているが、重症者が本格的に増えれば病床が足りなくなる可能性がある」「回復する可能性が高い患者を中心に重症者用病床をどのように割り当てるかについて議論を進める必要がある」と語った。

キム・ギョンウン記者

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