国際総合
岸防衛相「有事の際に相手国領空で自衛隊機が爆撃を行う可能性、排除せず」
「敵基地攻撃能力」保有を推進している日本が、相手国の領空内で軍事拠点を爆撃する案も検討していることが明らかになった。17日の東京新聞によると、岸信夫防衛相は前日、国会に出席して「(相手国の)攻撃を防ぐ場合にやむを得ない必要最小限の措置で、基地をたたくことは自衛の範囲に含まれる」とし「自衛隊の戦闘機が相手国の領空で軍事拠点を爆撃し、ミサイル発射を阻止する手段を持つことを排除しない」と表明した。日本が敵基地攻撃能力の保有を明文化した場合、有事の際の北朝鮮など相手国の軍事拠点への攻撃のため、本土からミサイルを撃つのはもちろん、相手国の領空へ戦闘機を派遣して先制攻撃を行うこともまた可能というわけだ。
岸防衛相は「国民を保護する他の適切な手段がなく、必要最小限度の実力行使にとどまるなど、発動の要件を満たすことが前提」「大陸間弾道ミサイル(ICBM)や攻撃型空母といった『攻撃的兵器』は保有しない」と答弁した。だが東京新聞は「他国領域で武力行使できる敵基地攻撃の装備導入も検討課題になるとの認識を示した」として「『他国に脅威を与えるような軍事大国とならない』という防衛政策の基本理念の根幹に関わる」と報じた。
自民党政権が推進している敵基地攻撃能力の核心は、既に発射されたミサイルを迎撃するのではなく、相手の攻撃の兆候が見られた場合にミサイルの拠点を先制攻撃して破壊することだ。日本では最近まで、敵基地攻撃能力の保有は憲法に定める専守防衛の原則に違反するという世論が強かった。だが最近、北朝鮮・中国・ロシアなどの安全保障上の脅威が大きくなり、米国もまた同盟国日本に防衛負担の分担を積極的に要求してきたことで、日本の敵基地攻撃能力の保有を巡る議論に勢いがついた。岸田文雄首相は、今年予定されている国家安全保障戦略(NSS)改訂を通して、敵基地攻撃能力の保有を明記したい考えだ。
東京=崔銀京(チェ・ウンギョン)特派員