■ロボット犬の研究はソフトウエアが90%

 ロボット犬は、米ボストン・ダイナミクスが2005年に初めて開発し、2019年9月からは「スポット」を販売している。現代自グループは2020年、ボストン・ダイナミクスを買収した。ネイバーLABSは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のキム・サンベ教授の「ミニチーター」で、ロボット犬の性能を改善する研究をしている。ミニチーターはその後、後方宙返りまで成功した。しかし、専門家らは、まだ完全な商用化段階とは言えないと口をそろえる。

 

 まず、実生活に適用するためには、厳しい環境下でも素早く移動することができなければならない。ファンボ・ジェミン教授は「現在のロボット犬は、平地では素早く移動できるが、山や階段といった上り下りのある環境は苦手」という。

 ネイバーLABSロボティクスのキム・インヒョク責任リーダーも「階段をはじめとするさまざまな地形で自主的に移動するためには、運動性能だけではなく、地形を認識し、これに合わせて歩行を制御する能力を持たなければならない」と説明する。周辺環境を把握してこそ速く移動できるのだが、環境情報を処理する技術が難題だというのだ。

 このためには、ロボット犬の「脳」に相当するソフトウエアの開発が不可欠である。ネイバーLABSは「キム・サンベ教授によると、全世界のロボット犬の研究の90%がソフトウエア研究」とし「周辺を認知し、地図をうまく作れるようにならなければならない」と話した。ネイバーLABSは、全世界の研究室にミニチーターを配布し、研究を行っている。スイスのロボット犬「アニマル」のように、ネイバーLABSもフランスのある研究所とともにミニチーターにAIを適用している。

 このような問題さえ乗り越えることができれば、ロボット犬は危険な災害現場や工場などに投入できるものと期待される。すでに現代自グループは、複数の工場にスポットを試験投入している。アニマルは北海変電所で単独検査を遂行した。ファンボ・ジェミン教授は「今後はロボット犬に対する需要が高まりを見せることが予想される。見通しは明るい」とし「早ければ5年以内にロボット犬の商用化が期待される」と述べた。

ユ・ジハン記者

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