経済総合
ソウルで40年ぶりに相乗りタクシー復活…アプリで同乗者をマッチング
1982年に禁止されたタクシー相乗りが40年ぶりにIT技術などで復活した。
ソウル市が27日に明らかにしたところによると、昨年7月に改正されたタクシー発展法により28日からタクシーの相乗りサービスが合法化された。
乗客は移動経路から同乗者を仲介するコールアプリを利用してタクシーの相乗りが可能になる。アプリを使ってタクシーをコールすれば、タクシーに乗っている乗客と目的地が近い別の乗客を自動でマッチングする方式だ。相乗りするかどうかはタクシードライバーではなく乗客が決め、料金も客同士が分け合って負担する。
今回のタクシー相乗りサービスは乗合タクシーのプラットフォーム「Conatus」の半々タクシーが2019年に科学技術情報通信部(省に相当)から「規制のサンドボックス(新技術実証制度)」に選定され、ソウル市内の一部地域で試験的に導入されたことから始まった。試験導入期間中、乗客の動線が70%以上一致するなどサービスに大きな問題がないとの認識が広がり、昨年7月に関連する法律が改正された。
ただし知らない人との相乗りから来る不安、あるいは犯罪に巻き込まれやすいという問題を解決するため、アプリの利用は実名でのみ可能だ。本人名義のクレジットカードを決済手段として登録することで身元が確認された人だけが利用でき、性別も同じ場合にのみ相乗りが認められる。
さらに乗客がタクシーに乗る時間や位置、さらにタクシーの座席といった情報など、タクシー内でのルールや危険時の通報手順に関する情報を事前に告知する機能もある。
ソウル市の相乗りタクシーサービスは現時点で半々タクシーだけだが、今後はさまざまなプラットフォーム加盟事業者やプラットフォーム仲介事業者などが類似のアプリを開発し、サービスに乗り出すと予想されている。中でも深夜のタクシー不足の解消やタクシードライバーの収入増が期待されている。
ソウル市によると、タクシー相乗りサービスはプラットフォーム加盟事業者などが運営するアプリを通じてのみ可能だという。ソウル市は「今後も多くの事業者が参入し、より便利なサービスをさまざまな形で開発できるよう積極的に支援したい」とした上で「限りのあるタクシー資源を効率的に利用でき、またソウルのような大都市でよく発生する深夜のタクシー不足など交通の問題も解決できるだろう」と期待を示した。
タクシーの相乗りは1970年代にはタクシードライバーによる典型的な横暴と認識されてきた。乗客の意思とは関係なく、タクシー利用中にドライバーが勝手に他の客を乗せるケースが多かったため、料金の計算などさまざまなもめ事が発生し、1982年には法律で相乗りが禁止された。