▲金元雄・光復会長

 A氏は「カフェ資金横領」疑惑とは別に、金会長の息子の嫁など親族が役員を務める骨材業者が汝矣島にある光復会館の4階にひそかに事務所を置き、公共機関を相手に営業活動を行っていた疑惑も指摘した。問題の会社は光復会の様式に金会長の職印を押した公文を国防部、驪州市庁、韓国土地住宅公社(LH)などに送っていたことが分かった。いずれも金会長の指示だったというのがA氏の主張だ。A氏は「非公開にしようというのが(金)会長の意向だった」と語った。取材が始まると、金会長の親族は問題の業者の役員を辞任したという。

 

 光復会は「今回の事態はA氏個人の不正だ」と主張した。光復会は報道資料を通じ、「金会長はA氏を信用し、収益事業に関する全権を任せた。A氏がカフェの開設から運営まで会長に報告もしないまま不正を犯していた事実が業務を引き継ぐ過程で判明した」とした上で、「A氏が金会長によく思われるように、金会長の洋服代、理髪代、マッサージ代の一部を支払うなど過剰な忠誠を示した。後からそれを知った金会長は(自分で)それを全て支払った」と説明した。光復会のカフェ資金が金会長の個人的用途に誤って使われたことは事実だったことになる。しかし、光復会は謝罪や遺憾表明を行っていない。

 金会長は歴代保守政権を「親日内閣」「反民族政権」と批判し、「(韓国国歌の作曲者)安益泰(アン・イクテ)は民族反逆者」「(軍人の)白善ヨプ(ペク・ソンヨプ)は死刑相当だ」といった発言で「反日扇動」「国民分裂」を図ったと指摘されてきた人物だ。自分が軍事独裁下に共和党、新軍部時代に民主正義党に所属した前歴については、生計のために仕方なかったと主張している。このほか、6・25(朝鮮戦争)の南侵で功績を上げ、金日成(キム・イルソン)勲章を受け取った金元鳳(キム・ウォンボン)氏の叙勲を推進。国家基幹施設破壊を計画したとして投獄された李石基(イ・ソッキ)元統合進歩党議員を称賛したことなどから「従北(北朝鮮追従)」ではないかと論議を呼んだ。

李竜洙(イ・ヨンス)記者、ウォン・ソンウ記者

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