話題の一冊
K防疫が最高だって? 韓国国民の犠牲のおかげだ
【新刊】イ・ヒョンギほか著『K防疫はない』(ゴールデンタイム刊)
韓国では、昨年10月に段階的日常回復を開始した後、新型コロナの重篤患者および死亡者の数が激増した。流行2年目にもかかわらず病床の割り当ても難しかった。ところが韓国現政権は自画自賛をやめない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は今月3日、新年の演説で「全ての国がコロナを経験したことで、K防疫の優秀さがおのずと際立つことになった」と語った。
著者らは「K防疫」について「成果ばかりを水増しした」「成果があるとしたら、それは韓国政府がうまくやったからではなく韓国国民の犠牲のおかげ」だという。韓国政府はコロナ問題の初期、中国からやって来る外国人に対する入国制限を急いで取ることはせず、ワクチンを早期に受領することもできなかった。こうした責任を避けることはできない、という指摘だ。
執筆陣は、医療の専門家をはじめ自営業者、高校3年の生徒、弁護士など各界各層から成る。右往左往したソーシャルディスタンス、防疫による過度の基本権侵害など各自の立場からK防疫の問題を暴き出す。陽性者・死亡者の数でのみ防疫の成果を評価してはならないというのが共通のメッセージだ。449ページ、1万9500ウォン(約1880円)
ペ・ジュンヨン記者