▲2021年12月16日、ソウル・汝矣島の与党「共に民主党」本部で行われた大統領選候補直属「社会大転換委員会発足式」で、同党の李在明(イ・ジェミョン)第20代大統領選候補と話を交わす秋美愛(チュ・ミエ)前法務部長官(名誉選挙対策委員長)。写真=李徳熏(イ・ドクフン)記者

 秋美愛(チュ・ミエ)前法務部長官が野党「国民の力」と同党の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領選候補に対して「(2014年に沈没したフェリー)セウォル号のように沈むだろう」と発言して物議を醸している。国民の力は「野党を批判するために国家的な悲劇であるセウォル号を利用した」と反発している。批判が高まるや、秋前長官は4日、表現を一部修正した。

 

 共に民主党の名誉選挙対策委員長を務めている秋前長官は3日、フェイスブックに「イ・ジュンソク船長のセウォル号は救助を待ち望んでいた子どもたち(修学旅行の高校生たち)に『じっとしていろ』と言った。じっとしていれば救助がすぐ来るかのように言って子どもたちをだまして、1人で脱出して生き残った」「国民の力の李俊錫(イ・ジュンソク)代表は尹候補に『じっとしていれば大統領選挙に勝つだろう』と言った。なぜか危機を感じる」「じっとしていれば候補者も国民の力も沈むだろう」と話した。セウォル号船長と李俊錫代表の名前の発音が同じであることに言及した上で、国民の力もセウォル号のように沈没すると言ったのだ。尹候補と李俊錫代表の確執でもめている国民の力の状況をセウォル号沈没事故になぞらえて批判したものと受け止められている。

 国民の力は論評で、「セウォル号沈没事故で命を失った大切な方々、そして遺族たちの痛みを少しでも察することができるなら、こういう非人間的な例え話でこうした方々を二度も泣かせるようなことはできなかっただろう」「これまでで最もひどい妄言について、国民と遺族の前にひれ伏して謝罪せよ」と述べた。秋前長官のフェイスブックにも「セウォル号で亡くなった子どもたちのために、さまざまな美辞麗句を並べて追悼してきたことが本心だったのなら、今すぐこのひどい文章を削除せよ」「正気なのか」というコメントが寄せられている。

 与党内からも批判が出ている。共に民主党関係者は「これまで秋前長官は尹候補と野党を強く批判してきたが、感情的な表現がしばしば選挙対策委員会内でも懸念されていた」「こうしたたぐいの批判は全く李在明候補に助けにならない」と語った。批判の声が高まるや、秋前長官はこの文章を掲載した翌日の4日、「じっとしていれば候補者も国民の力も沈むだろう」という部分を削除した。

チュ・ヒヨン記者

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