忠清北道忠州市の企業が輸入ゴマ油で製造した製品を国産と偽って販売し、14日までに摘発された。問題の企業は商品を「名人が仕込んだ」と宣伝し、割高で販売して多額の利益を上げていた。

　忠州市と農産物品質管理院などによると、忠州市にあるA社の代表B容疑者は昨年1月から今年5月にかけ、中国とインドから輸入したゴマ60トンからゴマ油を抽出し、国産と偽って販売したとして、このほど逮捕された。これに加担した農産物流通業者と知人の計2人も送検された。

 

　B容疑者は国産と偽ったゴマ油を公営の通販サイト、有名通販サイトなどを通じて販売し、韓国各地の100店舗余りにも納品した。農産物品質管理院によると、業者の売り上げは16億ウォン（約1億5300万円）に達し、国産のゴマとの価格差を利用し、数億ウォンの利益を上げていたことが分かった。特にコロナで通販の売り上げが増え、通販番組のし会社や販売者の広告だけを信じて購入するしかない状況を悪用したとみられる。

　B容疑者はゴマ油の名人を自称し、地域メディアの取材も受けていた。当時B容疑者は「低温冷圧着方式で3段階のフィルタリングを経て、最高の油を作っている」と宣伝した。今年5月には清州市の民間社団法人から「韓国無形文化遺産・名人」にも指定された。道関係者は「文化体育観光部に登録された団体ではあるが、民間団体による名人指定は信頼性を担保しにくい」と説明した。

　こうした詐欺行為が明らかになったものの、B社が販売したゴマ油の回収は困難とみられる。地方自治体などは食品衛生法に従い、不衛生か健康を害する可能性がある食品の回収命令を下すことができるが、輸入ゴマで生産したゴマ油を危険な食品に分類するのは困難だからだ。ただ、流通業者と消費者は購入したゴマ油を返品し、返金を受けることはできる。

　B容疑者は警察の取り調べに対し、「社員のミスで30キログラムだけ原産地を誤って表示した」とし、それ以外の容疑を否認しているという。

ムン・ジヨン記者