経済総合
【独自】現代自動車、ニッケル鉱山への直接投資へ…EVバッテリー素材確保戦
現代自動車が電気自動車(EV)用バッテリーの重要素材であるニッケルを確保するため、海外の鉱山への直接投資を推進していることが分かった。インドネシア、フィリピンのような主なニッケル埋蔵国での鉱山開発に直接参入し、安定的に供給を確保する狙いだ。ニッケルはバッテリーの正極材として使われる重要素材。
自動車業界によると、現代自動車は原材料を直接調達する必要性と確保方法を盛り込んだ報告書を第3四半期末に作成し、経営陣に報告したという。同社の内部事情に詳しい自動車業界関係者は「現在経営陣がこの問題を深く検討しており、社長団会議を経て、現代自内部に鉱山投資事業を担当するタスクフォース(TF)が設置される可能性が高い」と述べた。SKオン、LGエナジーソリューション、CATLなどからバッテリーの供給を受けてきた現代自が鉱山投資を検討するのは初めてだ。
報告書は来年上半期に投資可能な鉱山の調査を終え、2024年末までに鉱山投資を実行し、27年からニッケルを韓国に導入する内容とされる。そうして確保したニッケルをバッテリーメーカーに提供し、バッテリーの供給価格を押し下げることを見込む。自動車業界関係者は「現代自が最近インドネシアに完成車工場の設置したのも現地がニッケルの最大の埋蔵国という点が理由だ」と話した。
現代自がニッケル鉱山開発に乗り出したのはバッテリーの製造に主に使われるリチウムとは異なり、ニッケルはステンレス鋼など他の用途にも多く使われ、確保がますます難しくなるという分析があるからだ。現代自は今回の報告書でも「今年価格が高騰したリチウム、コバルトは今後供給が増え、価格が安定すると見込まれるが、ニッケルは25年から本格的に価格が上昇する」と予想した。現代自に先立ち、テスラ、トヨタは年初来価格が高騰したリチウムを確保するため、米国、オーストラリアなどのリチウム鉱山に投資を開始した。独フォルクスワーゲンも今月8日、ベルギーに正極材メーカーのユミコと合弁会社を設立し、正極材の原材料確保に乗り出すと発表した。
オ・ロラ記者