韓中関係
ボイコット論の動きに中国「徐薫国家安保室長は北京冬季五輪開催を積極的に支持」
青瓦台(韓国大統領府)の徐薫(ソ・フン)国家安保室長は2日、天津で中国共産党の楊潔チ・中央政治局委員と会談したが、その席で徐室長が「中国による北京冬季オリンピック開催を積極的に支持する」と発言したという。中国外交部(省に相当)が明らかにした。来年2月に開催される北京冬季オリンピックについて米国、欧州連合(EU)、日本などは外交的ボイコット(参加拒否)あるいは参加者の格を下げる方向で検討を進めているが、韓国はオリンピックを支持する立場を改めて表明したのだ。ただし青瓦台が発表した会談に関するプレスリリースにこの内容は記載されていなかった。
徐室長と楊委員は2日、天津の浜海一号酒店(ホテル)で5時間35分にわたり会談し、晩さん会に出席した。中国外交部の発表によると、中国側は今回の会談でグローバル・サプライチェーンでの協力を訴えたという。楊委員は「韓国と中国は世界の主要な経済大国であり、多変主義・自由貿易体制の支持者として相互補完の利点を引き続き発揮しなければならない」「両国、地域、グローバル産業サプライチェーンが安定し、かつストップしないよう力を合わせるべきだ」と述べた。米国が中国をけん制し、同盟国を中心にグローバル・サプライチェーンの再編を目指す中で「韓国が米国側につくことをけん制した発言」と受け取られている。
韓半島問題について楊委員は「中国は韓半島における南北双方の関係改善を一貫して支持する双軌並進(北朝鮮の非核化と平和体制の同時推進)の考え方、そして段階的な『行動対行動』の原則を主張してきた」とする従来の立場を改めて確認した。中国側の発表には文在寅(ムン・ジェイン)政権が推進している終戦宣言への言及はなかった。
ただし中国側は徐室長が「中国北京冬季オリンピックの成功を支持し祈願する」と述べたと伝えた。また先月25日に北京の釣魚台国賓館で行われた張夏成(チャン・ハソン)駐中韓国大使と楊委員との会談で、張大使が「北京冬季オリンピックの円満な成功を祈願する」と発言したことも中国外交部はすでに明らかにしている。
青瓦台のプレスリリースに北京冬季オリンピック関連の内容は記載されていなかったが、楊委員が「韓国が進める終戦宣言を支持し、終戦宣言は韓半島の平和と安定の増進に寄与すると考えている」と述べたことは伝えた。また徐室長は会談で楊委員に「ゲーム、映画、放送、音楽など文化面での交流や協力の活性化」「尿素水など中国製品の韓国への輸出が滞りなく行われるための協力」を依頼したという。青瓦台が明らかにした。
北京=パク・スチャン特派員