▲21日午後、京畿道広州市の南漢山城から見たソウル市内の空は灰色にかすんでいた。写真=コ・ウンホ記者

 この週末の二日間、韓国全土は中国から来た高濃度の粒子状物質で覆われた。中国では今月から石炭暖房が本格的に始まっている上、大気の停滞により韓国国内で発生した粒子状物質まで重なり、1時間当たりの微小粒子状物質(PM2.5)は全国各地で「非常に悪い(1立方メートル当たり76マイクログラム以上)」を記録した。空が灰色に見えるほどの状態だ。

 

 小春日和となった週末に外出を予定していた人々は、予定をキャンセルしたり、外出先から急いで帰宅したりした。20日、ソウル市城東区の馬場洞畜産市場や周辺の飲食店などは平日夜よりも客足がまばらだった。シン・ジェチョンさん(32)は「家族でキャンプに行く約束をしていたが、PM2.5のせいで外に出る気になれず、家で夕飯を食べることにした」と語った。

 気象庁によると、PM2.5は19日に北西風に乗って中国東北部から国内に流れ込んできたという。この影響で20日から21日にかけて韓国全土がトンネルの中に入ったかのように視界が悪くなった。忠清北道丹陽郡では20日、PM2.5の濃度が428マイクログラムまで上昇した。21日には京畿道で105マイクログラム、世宗市で104マイクログラムまで数値が上がり、ソウル市・仁川市(96マイクログラム)、大邱市・忠清南道(76マイクログラム)も「非常に悪い」レベルとなった。高濃度現象は既に19日から予測されていたが、政府は21日にだけ「緊急低減措置」を発令し、「対応が後手に回っている」と批判されている。

 冬になると、PM2.5の高濃度現象はいっそう頻繁になるものと見られている。国内の大気の質は西風により中国の影響を大きく受けざるを得ない。中国政府では最近、国家的な電力難解消のため発電用石炭生産を再び増やし始めていることから、韓国の被害も広がる見通しだ。中国政府は今年7月以降、154カ所以上の大型炭鉱の生産拡充を許可している。これにより、10-12月期の中国の石炭生産量は5500万トン増産が見込まれている。今月10日には一日の石炭生産量が1205万トンと過去最高値を更新した。

 国内の大気の質に直接影響を与える中国・華北地域では今月から暖房供給を開始した。華北をはじめとする中国中部・北部地域は毎年11月から翌年3月まで石炭・天然ガスを利用して各家庭に暖房と温水を供給するが、この過程で高濃度のPM2.5が頻繁に発生する。中国の大気の質も最悪の状況となっている。北京は今月4日に大気の質に関する指数が今秋初の「高度汚染」(計6段階中第5段階)を記録、21日には内モンゴル自治区から飛来した黄砂まで加わり、北京の一部地域の大気は最も悪い「深刻な汚染」(第6段階)にまで悪化した。

 高濃度のPM2.5現象は21日夜からの雨で次第に解消される見通しだ。気象庁は韓半島(朝鮮半島)北西から吹いてくる強い風などの影響で21日夜半から高濃度現象が次第に解消され、今週は「低-普通」水準となると予報した。21日に中部地域と西海岸から降り始める雨は22日未明には全国に広がるが、午前中には一度やみ、再び22日夜から翌日まで続く見通しだ。予想降水量は首都圏と全羅道・済州特別自治道で5-20ミリメートル、江原道・慶尚道5ミリメートル未満、予想積雪量は江原道・済州道の山地で1-3センチメートル、京畿道南西部・忠清北道で1センチメートルだ。

 23日から寒さが猛威を振るい始める。22日昼から冷たい空気が韓半島北西より南下し始め、23日朝には首都圏をはじめとする全国で最低気温が氷点下まで下がる。風も強く吹くため、体感温度はさらに低くなる見込みだ。23日朝の最低気温はマイナス6℃からプラス5℃、昼の最高気温は2-11℃と予想されている。氷点下まで下がる朝の寒さは週末の27日から次第に和らぐ見通しだ。気象庁関係者は「今週は風が強いため、PM2.5はなくなるが、急に寒くなるので事故などに特に注意してほしい」と呼びかけている。

パク・サンヒョン記者、北京=パク・スチャン特派員

ホーム TOP