2019年に韓国で人体に使用された抗生物質の量が経済協力開発機構(OECD)29加盟国で3番目に多かった。韓国保健福祉部(省に相当)は7日、今後4年で抗生物質使用量20%減を目指す「第2次国家抗生剤耐性管理対策」を関係部処(省庁)合同で取りまとめたと発表した。人体への抗生物質使用量を昨年の26.1DID(人口1000人当たり1日の抗生物質使用量)から25年までに20.9DIDに減らすことを目指す。畜産や水産分野での抗生物質販売量は個体数調整単位(PCU)当たり現在の217ミリグラムから195ミリグラムへと10%減らす計画だ。

 

 抗生物質は感染症の治療剤として使用されるが、抗生物質に耐性を持つ菌が広がれば国民の健康に大きな脅威となる。抗生物質の使用量は耐性菌の発生と密接に関係している。2019年にOECD加盟国の中で韓国よりも人体への抗生物質使用量が多かった国はギリシャとトルコだけだった。人体以外(畜産・水産)での抗生物質使用量も主要国と比較すると韓国は多い傾向にある。

 抗生物質の耐性率と感染報告件数も増加の傾向にある。バンコマイシンに耐性のある腸球菌の耐性率は2017年の34.0%から19年には40.9%に高まった。カルバペネムに耐性を持つ腸内細菌科細菌(CRE)は2010年に韓国で初めて報告され、その後は件数が急増し昨年は1万8904件発生した。

 韓国政府は2025年までに医療機関が抗生物質を適正使用できるよう抗生物質使用管理プログラムを開発し、その分析システムを立ち上げる計画だ。また監視システムを強化することですでに確認された抗生物質耐性菌の地域への拡大を抑制し、抗生物質耐性菌の実態と感染の実情に対する研究も同時に進める計画だ。

キム・テジュ記者

ホーム TOP