25日に韓国全土で発生したKTの通信障害は、自動車業界にも影響を及ぼした。自動車を遠隔操作するコネクテッドサービスやカーナビ機能がまひしたほか、自動車を購入する際のオンライン決済サービスも一時ストップした。自動車メーカー各社は今、広範囲な通信網をベースに自動車が一つの巨大なスマート機器になる時代を目指しているが、今回のKTの通信障害で未来の自動車産業の脆弱(ぜいじゃく)性が露呈したとの指摘が出ている。

 

 現代自動車によると、この日のKTの通信障害によって、現代自とジェネシスモデルに搭載されているコネクテッドカーサービス「ブルーリンク」が一時使用できなくなった。ブルーリンクはKTの通信網を使用しており、ユーザーは200万人に肉薄する。現代・起亜自のコネクテッドカーサービスは2003年に「モゼン」という名称で始まったが、12年に現代自のブルーリンク、起亜のUVOの二つに分かれた。起亜のUVOは別の通信企業のネットワークを使用している。

 現代自のブルーリンクは、最新のIT通信技術を利用したコネクテッドカーサービスで、遠隔操作でエンジンをかけたり駐車位置を知らせたりするほか、エンジンオイルの交換時期も通知する。また、エアバッグが作動する事故が発生した場合には119(緊急通報)中央センターに車の位置を知らせて救助を要請する。リアルタイムで交通情報を反映してルートを案内するほか、地図情報をアップデートする機能もある。

 現代自はブルーリンクについて「ドライバーが安全かつ便利に、楽しく運転できるようにするのが目標で、未来の車生活につながるものだ」と説明している。しかし、通信障害によってコネクテッドカーの機能は一瞬にして無用の長物となった。サービスの利用者は大変な不便を強いられた。

 今回の通信障害で、自動車のオンライン購入サービスにも支障が出た。一部の輸入ブランドのほか、現代自もコンパクトSUV「キャスパー」をオンラインで販売しているが、通信障害によってオンラインでの購入ができなくなった。現代自側は「車の購入はほかの商品とは違って時間を争うような注文ではないため、被害は大きくなかった」としながらも「注文が殺到する事前契約の開始日だったら影響が大きかっただろう」と話した。

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