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「売国奴」「スングリ党が富成した」 …韓国野党候補を中傷した陳恵媛検事を公選法違反で起訴
ソーシャルメディアで現政権と与党を擁護し、野党を批判する投稿を多数行い論議を呼んだ陳恵媛(チン・ヘウォン)水原地検安山支庁副部長検事が最近、国家公務員法違反、公職選挙法違反の疑いで在宅起訴された。今年4月の地方首長補選に先立ち、陳検事がフェイスブックに書き込んだ野党候補を中傷する文章が問題となったもので、現職検事が公選法違反で起訴されるのはまれだ。
水原地検安山支庁は6日、陳検事を公選法違反などの罪で5日に起訴したことを明らかにした。陳検事は今年3月末から4月初めにかけ、自身のフェイスブックにソウル市長補選に出馬した呉世勲(オ・セフン)氏の内谷洞土地優遇疑惑、釜山市長補選に出馬した朴亨ジュン(パク・ヒョンジュン)氏の造形物納品疑惑など当時の与党側の主張を反映した投稿を行い、市民団体「法治主義を正す連帯」などから告発されていた。
陳検事は当時、「公職上の権限を利用し、自身または家族の私腹を肥やす『浅はかな利己主義』と『公職意識不在』の絶頂を見せた人物が問題になっている」として、呉氏と朴氏を攻撃した。
選挙前日には「売国奴」というタイトルで、「『ケシミン』(覚醒した市民の意味)を除く残り全部を『スングリ党(ダン)とその選挙運動員』と呼ぶ理由がある。スングリ党とその選挙運動員はいつどこでも職位を売り渡して富を成し、それに反対する人々を弾圧する傾向を持つ」と書いた。スングリ党は「スングリダンダン」という一種の呪文をもじったからかいの表現だ。与党支持者を「覚醒した市民」と称賛する一方で、野党の政治家とその支持者を卑下した内容だった。
この事件は告発当時、陳検事の勤務地だったソウル東部地検が受理したが、陳検事の移動に伴い、安山支庁に送致された。安山支庁は管轄を考慮し、ソウル西部地検の職務代理を受け起訴した。法治主義を正す連帯は「民主主義のために選挙事犯を断罪すべき検事が国家公務員法に違反し、選挙犯罪を問われたことはあり得ないことだ」とし、「陳検事を厳罰に処すべきで、朴範界(パク・ポムゲ)法務部長官は直ちに懲戒に着手すべきだ」と主張した。陳検事は朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長によるセクハラ行為の被害者を「コッペム(金品を目当てに男性に近づく女性の意味)」と呼ぶなど二次加害問題で懲戒請求がなされている状態だ。