自動車産業
韓国大気汚染「PM2.5の主犯」旧型ディーゼル車対象の早期廃車補助金はムダ金だった?
韓国政府の支援金を受け取って古いディーゼル車を早期廃車した人の約半数が再びディーゼル車を購入したことが分かった。政府では最近5年間(2016-20年)で国費8454億ウォン(約796億円)をかけて老朽化したディーゼル車95万9000台を廃車にしたが、同期間で全ディーゼル車数はかえって9%増加していた。政府がディーゼル車を「PM2.5などの粒子状物質の主犯」と指摘し、「なくす」として実施した政策だが、効果が上がっていないのだ。
運行中の排出ガスが「レベル5」の古いディーゼル車を廃車にすると補助金の支援がある。排出ガスが「レベル1」「レベル2」のエコカーやガソリン・液化石油ガス(LPG)車を購入すれば、補助金の追加がある。総重量3.5トン未満の古いディーゼル車を早期廃車すれば、補助金を最大で600万ウォン(約57万円)まで受け取ることができる。補助金は政府と自治体が6対4の割合で負担する。環境部が29日、国会国土交通委員会所属のパク・ソンミン議員に提出した資料によると、首都圏で昨年上半期、補助金を受け取って古いディーゼル車を廃車にした後、新たに車を購入した人は4万8757人に達したという。ところが、これら人々が購入した車のうち、2万1686台(44%)がディーゼル車だった。しかも、そのうち中古ディーゼル車が1万5990台で、新車(5696台)より2.8倍多かった。
この5年間で早期廃車となった古いディーゼル車は96万台だったが、ディーゼル車の全登録台数は逆に増えている。国土交通部によると、ディーゼル車は2016年の917万456台から毎年増え、昨年は999万2124台に上った。5年間で82万台増えたことになる。政府関係者は「トラックはディーゼル車が多く、エコカーモデルの場合、発売数があまり多くない上、価格が比較的に高いため、零細事業者が中古ディーゼル車を再び購入するケースが多いものと把握している」と語った。パク・ソンミン議員は「今のようにディーゼル車の再購買率が約半分なら、排出ガス低減効果も半減せざるを得ない」と指摘した。
政府もこの問題を認識しているが、再購入車種をエコカーに限定すれば、ディーゼル車廃車支援制度が委縮することを懸念している。環境部交通環境課のファン・インモク課長は「環境にやさしいトラックの供給を促進し、廃車後、エコカーの購入を誘導する方策を幅広く検討しているところだ」と語った。