一つの事件の裁判に検事1人だけを投入する「1裁判部1検事」制度に関連し、それを推進する金オ洙(キム・オス)検察総長が検察内部から再び公開批判を浴びたことが28日までに分かった。「サムスンバイオロジクス会計不正疑惑」の公訴維持を担当する李卜鉉(イ・ボクヒョン)ソウル東部地検公判部長が今月15日に金総長を批判したのに続き、今回はチョ・グク元法務部長官一族を巡る事件を担当している姜白信(カン・ベクシン)ソウル東部地検公判部長が批判の声を上げた。姜検事は27日に検察の内部ネットワーク「イープロス」への投稿で、「1裁判部1検事制度は権力者の犯罪処罰を放棄しろというものだ」とし、金総長を批判したという。

 金総長はいわゆる「検察改革」の一環として、捜査検事の裁判関与を最小化し、公判部の検事が公判を単独で受け持つ「1裁判部1検事」制度を推進している。これについて、姜検事は「1人の公判検事に事件を新たに把握させ、法廷に対応しろというのは、事実上権力者犯罪に対する処罰を放棄しろというのと同じであることは子どもでも簡単に分かるはずだ」と指摘した。

 姜検事は「社会発展によって、政治的・経済的な巨大権力が出現し、権力者たちの犯罪と不正腐敗はとても巨大で複雑な様相を見せており、直接捜査した検事も1人が事件全体を把握することは不可能だ」とし、「検事の法的対応能力、公判能力強化のためにはむしろ捜査検事の直接裁判関与を活性化することが必要だ」と主張した。 

 姜検事は「国政介入事件のように、大規模な事件捜査に加わった多数の検事が公判に専念しても困難な状況なのに、公判検事を増やし、直接裁判関与に代えようとするならば、少なくとも1裁判部10検事程度ならば可能かもしれない」とも述べた。姜検事は秋美愛(チュ・ミエ)前法務部長官時代の昨年9月、ソウル中央地検から統営支庁に左遷されると、毎週往復10時間の距離を往復し、ソウル中央地裁で開かれるチョ・グク元長官の裁判に出廷してきた。

 姜検事は最近の検察人事についても批判。「現在検察の政治従属が深刻化しており、人事運用が検事としての公判と捜査業務に対する能力と剛直さが基準とはならず、政治的立場を共にするか、同志であるかなどの基準によってなされているのではないかという思いがして苦々しい。こうした状況は検察の政治的中立性、専門性という面で本当に深刻な状況だと思うが、指揮部が認識しているのか心配が先に立つ」とつづった。

 これに先立ち、李卜鉉検事はイープロスへの投稿を通じ、「無罪判決が弾けても(被告人の)人権が保護されるべきだというのが大検察庁の方針ではないか」と金総長に直言した。

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