▲済州地域の長期未解決事件「イ・スンヨン弁護士殺人事件」の重要参考人の被疑者(写真中央)=55=が18日午後、済州国際空港1階の到着ロビーで警察に護送されている。18日午後撮影。/NEWSIS

 済州道での代表的な長期未解決事件「イ・スンヨン弁護士殺人事件」の有力な容疑者が事件から22年ぶりに検挙された。警察は海外に滞在していた元暴力団員の50代の男の身柄を拘束し取り調べを行っている。

 済州警察庁は20日、この事件の有力な容疑者の男(55)を逮捕し、殺人教唆容疑で拘束令状を申請したと発表した。男は済州地域の暴力団員で、暴力団会長(2008年死亡)の指示を受け同じ組の組員(2014年死亡)を通じイ弁護士を殺害した疑いがある。

 イ弁護士(当時44歳)は1999年11月5日午前6時48分頃、済州市三徒2洞の済州北初等学校(小学校)近くの住宅街の路上に停めてあった車の中で遺体で発見された。遺体には鋭い刃物によるとみられる複数の傷跡が残っていた。事故現場には財布などの所持品がそのまま残っていたことから、恨みや請負による計画的な犯行と推定されていた。

 ソウル大学法学部出身のイ弁護士は秋美愛(チュ・ミエ)法務部(省に相当)長官や洪準杓(ホン・ジュンピョ)議員らと司法研修院同期(14期)だった。ソウル地検と釜山地検の検事を経て出身地の済州で弁護士事務所を開業していた。警察は懸賞金を掛けるなど大々的な捜査を行ったが、容疑者を特定することはできなかった。

 事件は2014年11月に公訴時効(15年)が満了となり、未解決事件として残っていたが、男が昨年6月にある番組で「イ弁護士殺人を暴力団が教唆した」と主張したことから、警察は再捜査を開始した。当時男は犯行に使われた凶器を直接手書きし、移動の動線などを具体的に説明した。その後、警察は男の出入国記録に基づいて昨年4月から国際的な捜査を行った。男は昨年6月末にカンボジアで違法滞在で摘発され、18日に韓国に強制送還された。

 男は番組に出演した際、自らによる犯罪の公訴時効がすでに過ぎたと考えていたようだ。海外逃亡中は時効が停止することを知らなかったのだ。警察の関係者は「男は公訴時効が満了したと考え、番組のインタビューで事件の実態を明らかにすれば、イ弁護士の遺族から謝礼が受け取れると期待していたようだ」と説明した。警察は男が事件後数十回にわたり海外を行き来していたため、その期間は公訴時効が停止となり、男を殺人教唆によって処罰できると判断している。警察は男に犯行を指示した背後の人物がいたか、あるいは男が殺人に直接関与したかなどについて捜査を続けている。

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