韓国与党・共に民主党がいわゆる「言論懲罰法」と呼ばれる言論仲裁法の改正を強行採決しようとする中、各国の言論団体など海外のジャーナリストたちも批判の声を上げ始めた。

 国際ジャーナリスト連盟(IFJ)は20日に声明を出し「韓国の国会が表現の自由を抑圧する道を開く言論仲裁法案を今月25日に国会本会議で可決しないことを求め、この法案を破棄することを要請する」と呼びかけた。その上でIFJは「この法案は根本的に『フェイクニュースとは何か』に対する間違った理解に基づいている」「不正確な報道に不当な処罰を加えることで、韓国のジャーナリストたちに恐怖の雰囲気を造成させ脅迫している」と訴えた。

 IFJはさらに「この法律はひどい類型の規制だ」とした上で「我々は韓国の国会議員たちが韓国記者協会(JAK)と別の言論連合団体などと協力し、報道の自由と韓国国民の知る権利を保障する新たな法案を制定するよう求める」とも要求した。IFJは言論懲罰法に反対する韓国記者協会を支持する考えも明確にした。韓国記者協会はこの法律について「政権与党の民主党は言論を一般大衆の敵とみなし、言論への嫌悪感をあおり、言論の信頼性を引きずり落とそうとしている」と強く非難してきた。1952年に発足したIFJは世界146カ国187のメディアに所属する60万人以上のジャーナリストが加入する世界最大規模の言論団体だ。

 韓国で活動する外信記者たちもこの日、言論仲裁法改正に反対する声明を発表した。ソウル外信記者クラブ(SFCC)の理事会は声明で「言論の自由を深刻に萎縮させかねない言論仲裁法改正案を国会で強行採決する動きに深い懸念を表明する」「『フェイクニュースの被害から救済する制度が必要』との大義名分には共感するが、民主社会における基本権を制約する恐れがあり、これによって問題を起こす可能性が高い法案を成立させることが小貪大失(貪小失大)につながることを懸念する」と主張した。

 SFCCは「言論報道で被害を受けた市民の救済に力を入れると同時に、言論の自由と責任を担保するバランスの取れた代案をゆっくり落ち着いて制定することを求めている韓国記者協会などの立場を支持する」との考えも明らかにした。その上でSFCCは「最近の言論仲裁法改正の動きにより、これまで大韓民国が積み上げてきた国際的なイメージと自由な言論環境が後退のリスクに直面する。権力者たちが内外信全ての取材環境に影響を及ぼすこともあり得るという事実を示したからだ」とも批判した。1956年に外信記者9人が立ち上げたSFCCには米国のニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ABCニュース、英国BBCなど世界の100以上のメディアと500人以上のジャーナリストが会員として活動している。

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