忠清北道報恩郡で中国の新興宗教集団を中心に外国人の農地購入が増えていることが分かった。外国人たちは毎月少しずつ農地を取得しているが、相場より高い価格を提示しているという。

 報恩郡が17日に明らかにしたところによると、2018年から今年7月までに外国人所有になった同地域の土地は186筆・64万6000平方メートル(19万5415坪)だという。畑49筆、水田103筆、その他の34筆だ。報恩郡は1邑と10面(邑も面も行政区画の単位)からなるが、特定の地域で外国人の土地購入が目立った。山外面・報恩邑・三升面が全体の92%を占めている。購入額は147億ウォン(約13億7000万円)に達する。

 外国人の中でも中国人の土地取得現象が高まっていることが分かった。全体の面積の72%に当たる44万6000平方メートルが中国人の手に渡った。次いで米国人12万5000平方メートル、ヨーロッパ人3万2000平方メートル、日本人6000平方メートル、その他の国1万7000平方メートルと把握されている。土地所有の主体は外国法人25万7000平方メートル、韓国系海外居住者16万3000平方メートル、韓国系でない外国人13万2000平方メートル、合弁会社9万5000平方メートルの順だ。外国法人の中でも中国法人が大きな比重を占めている、というのが報恩郡の説明だ。

 報恩郡関係者は「中国法人のほとんどは、帰化した中国人たちが信者の新興宗教の農業会社法人だと分かった」「これらは比較的地価が安い報恩郡の農地を購入した後、農業をしながら自給自足していると聞いている。法人のほかに信者個人が取得した土地もかなりある」と語った。数年前から新興宗教集団に属する中国人たちが農業法人を作り、毎月1-2筆ずつ実際の取引価格より20-40%高く農地を購入しているということだ。

 報恩郡では、外国人が購入した農地が現時点では郡内の全私有地に対して広い面積ではないものの、購入面積が増えており、その過程で資金調達計画や資金の出どころが不明なため、為替不正行為が行われる可能性もあると懸念している。だが、外国人と関連法人の農地購入を規制する方法は現時点ではない。

 報恩郡は今年5月、国土交通部や関連部処(省庁)に外国人の土地所有制限に関する法令の制定を提案した。郡関係者は「不動産市場をかき乱すような行為が発生しないよう、関連法令の制定をあらためて提案し、必要なら土地取引許可区域指定も上級機関に要求する方針だ」と述べた。郡は住民と連帯して外国人の土地取引状況を注視する方針だ。

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