▲太極旗(韓国国旗)を手にした3人の外国人師団…昨年、バレーボール女子韓国代表の東京五輪出場チケットを獲得した後、太極旗を手に喜ぶ「ラバリニ師団」。写真左からアンドレア・ビアシオリ戦力分析官、ステファノ・ラバリニ監督、セザール・エルナンデス・コーチ。写真=ヤン・ジヘ記者

 バレーボール女子韓国代表の東京五輪準決勝進出は、精神力だけによる快挙ではない。「データ・バレー」に一家言ある超豪華外国人師団が力を合わせた結果だ。

 ステファノ・ラバリニ監督(42)=イタリア=は、バレーボール大国ブラジルのリーグで4冠を成し遂げた名将だ。バレーボール選手としてプレーしたことは全くないが、バレーボールの分析が好きで、16歳の時から地域クラブのコーチを務めてきたという独特の経歴の持ち主だ。

 セザール・エルナンデス代表首席コーチ(44)=スペイン=はバレーボール女子最高の名門チームであるトルコのワクフバンクSKの技術コーチで、ラバリニ監督のオールマイティーなブレーン役を担っている。アンドレア・ビアシオリ戦力分析官(32)=イタリア=は高校の時、バレーボールを分析するプログラムを自分で作ったミラノ工科大学出身のエンジニアだ。東京五輪組織委員会が新型コロナ予防を理由に出入証の発給を制限しているため、選手村の外のホテルに滞在している。しかし、ホテルではごくわずかな時間、目を閉じるだけで、ほとんどの時間をラバリニ監督と一緒に過ごしている。3人は東京五輪で対戦する11カ国の最近3年間分の試合を、昼夜を問わず分析した。

 データは人間に勝った。ラバリニ師団は戦術の中心だった双子のイ・ジェヨン、ダヨン姉妹が今年初めの学校暴力問題で代表を外れるという悪材料に見舞われた。しかし、3人は「大韓バレーボール協会の決定を尊重する」として、再び新たな方法を模索した。パク・ウンジン、アン・ヘジン、チョン・ジユンら新人たちの実力だけを見て果敢に選んだ。今年6-7月のバレーボール・ネーションズ・リーグ(VNL)では選手たちの息が合わず16カ国中15位に終わったが、1カ月間で態勢を組み直し、東京五輪準決勝進出という快挙まで成し遂げた。

 3人の戦術の最高傑作は7月31日に行われた1次リーグ韓日戦の第5セット、12-14とリードされた瞬間に飛び出した。エルナンデス・コーチは「日本が最後の攻撃をすべて石川真佑に与えることに気付き、選手たちに分析内容をもとに、それぞれの守備位置を細かく指示した。作戦通り石川の攻撃を連続して断ち切り、逆転した。ただ運が良かっただけではない」と語った。

 3人の分析力は今月4日の準々決勝でトルコという壁さえ乗り越えた。ラバリニ監督は「体格の良いトルコを相手にするにはサーブがカギだった。トルコはパスのスキルが良いが、攻撃の効率があまり良くないと判断、その部分を集中的に攻略した。私たちは誰がサーブをして、どのように守備をするか、状況に応じてリアルタイムで調整する」と言った。「例えば、キム・スジはサーブが強く、パク・ウンジンはブロッキングがいいが、そうした戦術がうまく行く」と語った。

 2002年韓日共催サッカー・ワールドカップの時のヒディンク韓国代表監督がそうだったように、ラバリニ監督もまだ満足はしていない。「韓国がベスト4(準決勝)に進むことが信じられなくて、(トルコとの)試合後もしばらくの間、ボーッとしていた。最近は毎日夢を見ているような気分だ。どこまで遠く行けるか分からないが、うちの選手たちを信じているから自信がある」と語った。

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