大谷翔平(27)=ロサンゼルス・エンゼルス=がいる所は常に予測不能の「ショータイム」が繰り広げられる。

 大谷は13日(以下、韓国時間)米コロラド州デンバーのクアーズ・フィールドで行われた2021米大リーグ・オールスター戦のホームランダービーに出場した。第1ラウンドの対決相手はフアン・ソト(22)=ワシントン・ナショナルズ=。ホームランダービーのルールでは、正規の時間3分間で飛距離475フィート(約145メートル)を超えるホームランを打てばボーナスタイム1分間、両選手のホームラン数が同じであれば延長1分間が与えられる。先に打席に立ったソトは合計4分間でホームラン22本を放った。

 そして大谷の番に。はじめの1分間でフェンスの外に飛んだのはたった1本だった。正規の3分間のうち、1分20秒過ぎた時点で大谷が打った本塁打は5本だけ。タイムを要求し、少し呼吸を整えた大谷は、残りの1分40秒間に11本の本塁打を放ち、飛距離ボーナスとして得られた1分間で6本を追加、合計22本でソトと並んだ。延長戦が始まると、両選手は1分間で共に6本塁打を出して28-28とし、また勝負がつかなかった。再び突入した2次延長戦では3回のスイングの機会が与えられた。ソトはスイング3回ともすべてホームランにしたが、大谷は初球がゴロになった。こうして28-31で大谷が負けた。

 大谷は「1日に(バットを)あれほど振ることがない」「インターバル走みたいに息が上がるという感じ」「(バッティング訓練を)やっていないのでなかなか距離感がとれないなという感じだったが、途中から良かったと思う」と言った。今季「二刀流」で出場している大谷は疲労を減らそうと打撃練習を特にしていない。大谷は「ホームランダービーだけであんなにいっぱい入ることも日本ではない。なかなかできる経験ではないのですごく楽しかった」と笑った。

 大谷は第1ラウンドで脱落したが、500フィート(約152メートル)以上のホームランだけで6本をさく裂させるなど、全力を尽くしてバットを振り回した。大リーグが2016年に測定システム「スタットキャスト」を導入して以降、大谷はホームランダービーで500フィート以上のホームランを最も多く打った選手になった。大谷はこの日、最長飛距離513フィート(約156メートル)、平均打球速度117マイル(約188キロメートル)を記録し、「特大ホームラン専門家」にふさわしい威厳をアピールした。大谷を破って準決勝に進出したソトはピート・アロンソ(26)=ニューヨーク・メッツ=に負けた。決勝に進出したアロンソは、トレイ・マンシーニ(29)=ボルチモア・オリオールズ=を抑えて2シーズン連続でホームランダービーを制した。

 大谷は14日も史上初の「ショータイム」を繰り広げる。アメリカン・リーグ先発投手兼1番打者として出場するのだ。大リーグのオールスター戦で1選手が投手と打者として同時に出場資格を得たのは大谷が初めてだ。大谷は「先発するのでまずはそこに(集中し)、打席ではしっかり調整していきたい」と誓った。

 大谷は今季前半戦で打者としては打率2割7分9厘、33本塁打、70打点を記録した一方、投手としては4勝1敗、防御率3.49、87奪三振という成績を残した。オールスター戦のナショナル・リーグ側の先発投手はマックス・シャーザー(36)=ワシントン・ナショナルズ=だ。シャーザーは公式戦前半戦で7勝4敗、防御率2.66、134奪三振を記録している。

ホーム TOP