ソウル市鍾路区のあるビルに「同性愛者関連の通報によるトイレ閉鎖」という告知文が掲げられているのがインターネット上で拡散され、議論が沸騰している。性的マイノリティーに対する差別だという批判を受け、ビル側は「建物内で不適切な行為を目撃したという苦情が増えたためだ」と説明した。

 問題の告知文は8日、SNSなどを通じてシェアされた。今月2日に女性新聞が報じてはいるが、それが再び注目され、ネットユーザーによる論争が起きている。

 告知文には「内部事情(同性愛者の出入りなどの通報)により、地下4、5、6階のトイレを当面閉鎖するので、ご不便でも地上階のトイレの利用をお願いします」と書かれている。閉鎖は昨年5月11日からとなっている。

 ビル管理者は同日、マネートゥデーとのインタビューで、そういう措置を取らざるを得なかった理由を明らかにした。地下の階段、エレベーター脇のトイレなどで性的マイノリティーの人たちが性行為をしているという苦情が増えたためだという。

 ビル管理者は「これまでに受理した苦情は合計で数百件になる。さらにトイレを管理している方々の大半はお年を召した高齢者で勤務に支障があるほどだ。性的志向に関連なく、法を犯す行為を防ぐ意図にすぎない」と話した。

 告知文自体が性的マイノリティー差別と受け取られるという意見には同意しながらも、撤去する計画はないと強調した。苦情があるたびに警察に即時通報するという内部方針も決めたという。

 ビル側の説明にもかかわらず、ネットユーザーの間では「性的マイノリティーを名指しすること自体が差別だ」との声が上がっている。「性的マイノリティーのせい」と決め付けるのではなく、「わいせつ行為が理由だ」との点を強調すべきだというのがネットユーザーらの意見だ。

 しかし、公共の場所での性的関係が公然わいせつ罪に該当するため、ビル側の措置は違法ではないとの主張もある。公然わいせつ罪は1年以下の懲役や500万ウォン(約48万円)以下の罰金に処される。

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