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国家保安法違反で逮捕された人物が書いた親北書籍、韓国の書店で堂々販売中
北朝鮮工作員に韓国国内の動向を伝え、また利敵表現物を作成し販売した容疑(国家保安法違反など)で今月24日に4・27時代研究院のイ・ジョンフン研究委員が逮捕・起訴されたが、イ容疑者が執筆した書籍が韓国国内で何の制約を受けることなく流通していることが27日までに分かった。
イ容疑者は2017年4月、日系ペルー人として韓国に入国した北朝鮮工作員と4回会い、自らの活動状況と韓国国内における進歩陣営の動向などについて報告し、さらに暗号化された指令文の送受信方法について教育を受けた容疑(国家保安法違反など)も浮上している。イ容疑者は2006年のいわゆる「一心会事件」の際にも国家保安法違反の容疑で懲役3年を宣告され服役した。一心会事件とは当時の民主労働党中央委員だったイ容疑者ら5人が「北朝鮮工作員に韓国国内の動向を報告した」として摘発された事件だ。イ容疑者は出所から10年以上が過ぎてからほぼ同じ容疑で再び逮捕されたことになる。
一方である出版関係者によると、イ容疑者が執筆した『主体思想エッセー』(2017)とイ容疑者が著者の一人となっている『北を正しく知る100問100答』(2018)は27日の時点で教保文庫など韓国の大型書店で陳列・販売されていることが確認された。またどちらもインターネットを通じてそれぞれ1万8000ウォン(約1770円)と2万ウォン(約2000円)で注文することができる。4・27時代研究院が発行した『北を正しく知る100問100答』は韓国統一部(省に相当)の国立統一研究院で教育用書籍としても利用されている。この書籍はソウル市江北区にある統一教育院統一教育資料センターで統一関連教育従事者などに限定して閲覧および貸し出しが可能となっている。
イ容疑者の国家保安法違反容疑を摘発し逮捕した国家情報院と警察、またイ容疑者を起訴した検察はいずれも「イ容疑者が執筆した2冊の書籍は利敵表現物」と判断している。検察によると、イ容疑者は2冊の書籍に北朝鮮の主体思想、世襲独裁、先軍政治、核兵器保有などを擁護する内容を記載し出版した。しかし検察の関係者は「イ容疑者が執筆した本が裁判で利敵表現物と確定するまでは書籍の販売を止める方法はない」とコメントした。