▲キウム・ヒーローズのブリガム=写真左=、ハンファ・イーグルスのカーペンター=同右=

 ハンファ・イーグルスの先発投手ライアン・カーペンター(30)=米国=の今シーズンの年俸は50万ドル(約5400万円)で、外国人選手の中で最も低い。ハンファがカーペンターを割安な年俸で入団させることができたのは、彼が韓国プロ野球(KBO)リーグよりレベルが低いとされている台湾プロ野球リーグ(CPBL)出身だからだ。

 2018年と19年に米大リーグのデトロイト・タイガースで2勝8敗、防御率8.57と目立った成績を残せなかったカーペンターは2020年シーズンに台湾に渡り、楽天モンキーズでプレーした。昨年のCPBLでの成績は10勝8敗、防御率3.96だ。

 CPBLが「打高投低」傾向の強いリーグであることを考慮しても、4点近い防御率の投手が韓国で成功すると期待する声は多くなかった。しかし、その先入観をあざ笑うかのように、カーペンターは今季、ずば抜けた投球でハンファのエース役をしっかり果たしている。リーグで2番目に少ない得点支援(2.70)のせいで2勝3敗にとどまっているものの、防御率(1.69)と奪三振数(56)はリーグ2位だ。被安打率は1割8分3厘で、リーグで最も低い。

 カーペンターは「4チームだけのCPBLでは1年間に3チームしか相手がいなかった。同じバッターたちに何度も会うため、投手にとっては不利だった」「シーズン途中で公認球が2回変わったこともつらかった。韓国の公認球の方が私の手にはるかによく合う」と言った。左腕のカーペンターはピッチャープレートの一塁側を踏み、軸となる左足と、前に踏み出した右足が投球後に交差するような投球フォームで相手打者を翻弄(ほんろう)している。

 キウム・ヒーローズのジェイク・ブリガム(33)=米国=は台湾で復活への足がかりを築いたケースだ。ブリガムは2017年にネクセン・ヒーローズ(現:キウム)に入団、昨年まで43勝23敗と活躍した。ところが昨年、ひじの痛みで一軍エントリーから2回外された後、契約更新できなかった。

 切歯腐心したブリガムは今季CPBLの新生チーム、味全ドラゴンズのユニフォームを着て8試合に出場して4勝1敗、防御率0.60とリーグで活躍した。すると、キウムが期待外れの新外国人投手ジョシュ・スミスを放出、ブリガムに再びラブコールを送った。

 キウムは「ブリガム効果」を享受している。ブリガムは15日のハンファ戦(5と3分の2イニング・無失点)と21日のNCダイノス戦(7イニング・無失点)の好投により、キウムを勢いづかせた。キウムはブリガムが韓国プロ野球リーグに復帰した15日から23日まで7連勝し、4位(23勝19敗)に浮上した。ブリガムは「私の第2の故郷である韓国に戻って、再びマウンドに立ったら、ジーンとした」と語った。

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