全会員数80人の延世大学のお茶サークル「クァンソル茶会」は今年2月、今学期の新会員募集を出した。毎週、茶の理論の授業をして、4人ずつになって韓国の伝統茶などを飲ませてくれる「チャッチプ(茶店)」を訪れるのが主な活動だ。ところが、今年は希望者が予想を超えて200人以上集まったという。サークル会長のクォン・ジヨンさん(24)は「もともと希望者は100人ぐらいだったが、新型コロナまで重なった状況で、このように希望者が多いのは初めてのこと」「お茶に対する関心が学生の間で高まったようだ」と話す。誰でも会費さえ払えば参加でき、現在、250人を抱える大きなサークルになった。会員50人の梨花女子大学のお茶サークル「茶然会」でも、「普通は1週間ほど勧誘活動をするが、今年は2時間で募集人員がいっぱいになり、早く締め切った」と言った。

 コーヒーの代わりにお茶を楽しむ20-30代の若者が増えている。「コーヒー共和国」と呼ばれる韓国は、米国・中国に次ぐ世界第3位の規模を誇るコーヒー市場だ。主な顧客層である若者たちがカフェだけでなく、中高年層の専有物のように考えられていた「茶店」にも目を向けているのだ。

 最近、ソウル市内の江南駅や、鍾路区の北村韓屋村など若者が多く訪れる「ホットプレイス」にも茶店が続々と登場している。今年2月にあるお茶のブランドが北村にコーヒー以外のお茶と茶食(お茶に添える菓子)のみを販売する茶店を出した。20-30代をターゲットに、ガラス張りで、古い工場のようなインテリアに仕上げている。このほか、数種類のお茶をコース別に出してくれる「ティーおまかせカフェ」、2-3種のお茶を選び、いわゆる「キュレーション・サービス」を提供する茶店などが人気だ。ソウル市鍾路区で茶店「湖田茶室」を経営するパク・ジェヒョン代表は「従来は60-70代が主な顧客だったが、2年前から若い客が少しずつ増え、今では90%が20-30代」と語った。

 茶店に通っている人々は「コーヒーとは違う何か」があると言う。大学生パク・ミンソンさん(26)は「カフェでオンライン授業を聞き、課題をするのが日常になったので、カフェに来ると、もう『休んでいる』という感じがしなくなった。お茶がもたらしてくれる温かで落ち着いた雰囲気がいいから、茶店に行く」と説明した。大企業社員のノさん(38)も「コーヒーが仕事をはかどらせ、生産性を向上させる感じだとしたら、お茶は飲みながらゆっくり休ませてくれる感じがする」と語った。

カン・ダウン記者

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